学芸大附属高校の学生生活とは?独自の「夏期講習」に潜入!/2022高校入試の最新情報

(2021年7月入試情報を更新)

東京都世田谷区にて1954年に創立され、首都圏でも有数の進学校として知られる「東京学芸大学附属高等学校(以下、学芸大附属高校)」。
昨年取材した学校紹介記事に続き、今回は学芸大附属高校の校内へ潜入!高い大学実績へとつなげる学校独自の入試対策、「夏期講習」を取材しました。

さらには、在校生達は日々どのような勉強をこなしているのか‥‥。次々と学校改革を行う大野校長へのインタビューと併せて、最新の入試情報もお届けします。

ぜひ以下よりご覧ください。

東京大学や京都大学といった難関国立大学への高い進学実績でも知られる学芸大附属高校では、学校独自の大学入試対策として今年より高3生向けに「夏期講習」を実施しています。
夏休み期間のうち10日間を利用して、合計57講座もの豊富な入試対策授業が設けられているといいます。

創立60年以上もの歴史ある東京学芸大学附属高校 (2020年8月撮影)

―――この日、各教室で夏期講習の授業が行われていました。大学入試対策に大きな差をつける最後の夏ともあり、生徒の皆さんとても集中して受講しています。

夏期講習にて各授業の様子

―――「夏期講習」は必修ではないものの、大学受験を目前に控えた全高3生300名のうち半数以上の166名が受けたい講座を自由に選択して受講しているといいます。その夏期講習について、自らも教壇に立たれる大野校長先生に詳しく話を伺いました。

(以下より、大野校長インタビュー)

東京学芸大学附属高校 大野校長先生のインタビューにて

大野校長先生:
夏期講習では、実践的な入試過去問演習や応用レベルの深い知識の獲得、さらに今年はコロナ禍における学習量の減少に対する補習も目的としています。
なかでも他校と比べても珍しいのは、化学と生物の講習で実験講習も行っていることでしょうか。

具体的には、反応速度や触媒、時計反応の実験など、他の実験も含めてかなりの数を行っています。本来的には実験や実習をしっかりと理解するために座学がありますし、お互いのバランスをうまく取れるように配慮しています。


―――こうした豊富な実験授業に加えて、夏期講習のテキストは教員が講習専用のものを作成し、生徒さんに深い理解を得てもらうためにも力を入れて取り組んでいるといいます。

夏期講習「難関英作文」授業の様子/生徒さんが自作した英文表現について意見を交わし合う

さらには!校長先生自らが「夏期講習」で教壇に立たれるというから驚きです。これは大変珍しいのではないでしょうか。

大野校長先生:
私は化学科の教員として化学を教えることや生徒と接することが大好きで、いつまでも現役の教員でありたいと思っています。校長の業務は、意識的に行動しないと生徒と接する機会が少なくなります。そこで、授業をはじめ部活の指導にも積極的に参加しています。

授業をすると、生徒が分かった時、その雰囲気が伝わりこちらも楽しくなります。生徒とともに化学について考えることは大きな喜びです。

大野校長先生による夏期講習の「物理化学演習」授業の様子(提供:東京学芸大学附属高校)

大野校長先生:
私が担当する化学の分野では、「反応速度論」と「化学平衡論」の内容を講習で取り扱っています。
実践的な入試過去問演習では、東大、京大、東工大などの「速度論」や「平衡論」に関する難しい問題のポイント解説や解法を指導します。というのも、実際に入試問題を解く際には、ある程度までの大学レベルの知識があると解法が導きやすくなるものがあります。
難関大学の難しい問題に取り組む上でも、本質的なことを事前に理解して、今後大学で学ぶであろう内容も意識しながら、丸暗記ではなく原理原則を踏まえて問題に取り組んでいます。

―――夏期講習では、大学入試対策だけでなく通常授業ではあまり取り扱わない基礎的な事項を再度学び直すことにより、学習効果もあげられているといいます。

大野校長先生:
生徒たちは講習を通じて、いろいろな物事を深く考える習慣がついてきています。
機械的に問題を解くのではなく、入試問題の表す意味や出題者の意図を読み取ることができるようになれればと考えて実践しています。

―――学芸大附属高校では、夏期講習のほかにも高3生向けの「高大接続授業」として東工大や東京学芸大学と連携した学びを提供しています。高校生のうちから各分野の専門の先生(大学教授など)から直接指導を受け、大学での授業がどのようなものかも学べる環境があるのも大きな魅力です。

先にご紹介した高3生の特別講習(夏期講習)の取り組みに加えて、高1~高3生での学校生活についても詳しく話を伺いました。
なかでも、学芸大附属高校の卒業生も「大変だった」と語る、”課題レポート”への取り組みを教えていただきます。

生徒さん達は自分が通う学校をどのような学校だと思っていますか?

大野校長先生:
“自分たちがやりたいことができる学校”と感じているのではないでしょうか。
必要最小限のことをきちんと行い、他の生徒の迷惑になることはしないなどベーシックなことを守ってさえいれば、かなりの自由度があり、自分の個性を活かす余地があると考えていてくれるのではないかと思います。
卒業生や同窓生が来校して、在校生向けのキャリアガイダンスをしていただく機会も多いのですが、卒業生達と話してみると「この学校でよかった」、「自由でのびのびと生活して、自分の力を活かせた」、「あの時代があって今の自分がある」と言ってくれています。

社会に出た卒業生たちが、まわりとの違いや努力の成果を感じるのは、どのような学習が有効であったと考えますか?

大野校長先生:
特にレポート地獄と言われるものですね…。(笑)
数多くの課題レポートへの取り組みが、その後大学や会社に入ってからの報告書などにも活きているようです。
生徒達は、現代社会における方向性や複雑な要因がどのようなものであるかを知るノウハウを身に着けていくことを学校へ求めていると思います。物事を調べるのは自分だけれど、”どこをどのように探ったらいいのか”、”自分で発見した課題を解決するためにどのようなことをしたらいいのか”、理系であれば最小限の実験の技術がなければ、何も新しいことは生まれませんので、学問を行う上での基礎基本を高めていきたいと考えています。
そのためにも、ノーベル賞を受賞した吉野彰先生の講演や池上彰先生の連続講義などをはじめとして、地学や地理の実習・フィールドワークや、毎週行う化学実験など、生徒たちが常に「ホンモノ」に触れる機会を数多く設けています。

レポートへの取り組み方はどのように指導していますか?

大野校長先生:
教科によって異なりますが、研究結果やレポートのまとめ方は1年生の時に「SSH現代文」という科目で学びます。
一般的な日本語の書き方ですと、「Aはこうでこうでこうなったから、結論がCです。」という書き方になりがちですが、まず「私はCだと思います、なぜならば…」という書き方を学びます。実際、教える前はこの書き方が生徒たちにはほとんど身についていません。
すべての論文やレポートはまず結論があって、なぜならば~とその理由を示していくことの重要性をこの授業では理解させていきます。
また、「帰納法」と「演繹法」の違いやメリットとデメリットも教えていきます。
このケースは帰納法的に考えていったほうがいい。あるいは途中までは帰納法で考えていって筋道が見えたら文章としては演繹法でやればよいなどの具体的なテクニックも教えています。

生徒さん達は、どのくらいの量のレポートに取り組んでいますか?

大野校長先生:
1日を用いたフィールドワークの場合はA4用紙数十枚にもなりますが、日常的な物理・化学の課題ではA4で2~3枚のレポート提出を毎週実施しています。
2年生の場合はその他の科目も含めて年間で50本程度のレポートを書いています。

Point!

実際に生徒さんが毎週作成しているというレポートをご紹介!

「糖類に関するレポート」では、実験結果・考察など詳細に調べた事柄が記載されています。

高3生による化学の「糖類レポート」

高校生のうちから毎週のようにレポートに取り組むことで、社会人になってからも分析力や高いプレゼンテーション能力などを発揮できるといいます。

他校と比べて、学芸大附属高校の生徒さん達はどのような特長があると思いますか?

大野校長先生:
いい意味で言えばイキイキとして冒険心に富んでいます。
反対に、地道に取り組む力はやや弱いかなと思っています。
モノを考えることや表現力、挑戦心は高いので、これからもどんどん伸びるはずですが、一方で派手でない部分にもコツコツと努力するという点については、教員側が特に意識して指導するようにしています。
そもそも生徒の理解力が高く、ちょっと聞けばわかってしまうとなれば、必死に頭を絞る経験があまり得られないかもしれません。ですから教員は、生徒達にとって必死にならなければならない課題(レポートなど)を出して、処理能力の高い生徒でも脳に汗をかきながら取り組むような、彼ら(の能力)に応じた課題を与えられるよう常に工夫をしています。

―――学芸大附属高校では、高2生までは文理関係なく全科目を必修とし、レポートでも必修科目から幅広い課題が出されるといいます。
卒業する生徒さん達が世界の人たちと一緒に仕事で活躍できるよう、自分の得意な分野だけではなく広い教養と深い専門性を持つことを目的に実施されています。

2022年度(令和4年度)の学芸大附属高校 入試に関する公示が同校より発表されました。
※2021年7月10日時点の発表情報

2022年度(令和4年度)入試概要

募集人数 男女合わせて120名(帰国生は男女合わせて15名)

出願期間 令和4年1月7日(金)より1月19日(水)まで

※WEBによる出願のみ受付
※帰国生の出願期間は令和4年1月7日(金)より14日(金)までとなりますのでご注意ください。

学力検査 令和4年2月13日(日)

※検査内容:国語・数学・英語(リスニング問題を含む)・理科・社会
※帰国生は令和4年2月14日(月)に面接が実施されます。

合格者発表 令和4年2月17日(木)

※東京学芸大附属高校HP参照にて作成、2021年7月10日時点の情報

これから入学を志望する学生さん達に意識して欲しいことは何ですか?

大野校長先生:
中学の基礎基本をしっかりやってきてほしいです。
国語や英語でいえば、長文などを読みこなして意味を取る能力はあっても、短い文章を文法的に分析する力が弱いということは1年生の実力テストなどで現れてきています。
本来的に時間をかけて、力をつけていくべきところに取り組んできてくださると入学後により伸びるのではないかと思います。

改めて、学芸大附属高校が求める学生像は何ですか?

大野校長先生:
“自ら学ぶ意欲”、”多様性を活用できる柔軟性”をもっている中学生に来てほしいと思います。それをベースに本校でさらに発展させていく、ダイバーシティの活用やイノベーターとなる人物になっていてほしい。そのためには中学校段階での知識技能はもちろん、自分で学んでいく意欲、姿勢が大切です。
知的好奇心が強くて、「何か知りたいな」、「中学校でこういう勉強をして面白かったな」という経験があれば、高校からでもその力はさらに伸びていくと思います。自ら学ぶ方法については高校に入ってから十分に学べます。


―――以上、取材より。

 学校基本情報 

学校名:東京学芸大学附属高等学校
所在地:〒154-0002 東京都世田谷区下馬4丁目1−5
教育方針:「清純な気品の高い人間」「大樹のように大きく伸びる自主的な人間」「世界性の豊かな人間」
学校ホームページはこちら

学芸大附属高校をはじめ、早慶などの難関国私立高校や、横浜翠嵐や湘南など難関公立高校受験を目指すには、多くの課題を効率的にクリアできるような学習習慣を身に着けていくことが大切です。

難関高校へのトップ合格を目指す生徒さんが多く集まる湘南ゼミナールの「難関高受験コース」では、授業にて学芸大学附属高校の過去問なども取り扱います。


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