湘ゼミコラム

大学受験・入試

高校2年生までには知らないと損?! 「大学入学共通テスト」の注目点

2019.09.18

2020年1月を最後にセンター試験が廃止され、2021年度入試から新テストの「大学入学共通テスト」に移行します。

共通テストでは、文部科学省が国語と数学に記述式の問題を導入することを発表したほか、英語は民間検定試験の利用が開始され、各大学では個別試験も改革するとされています。

そこで、新大学入試について湘南ゼミナール主催 河合塾マナビス東海エリア担当部長に話を聞いてみました!

高校2年生までには知らないと損?!「大学入学共通テスト」の注目点

東海エリア担当部長:
大学入試は、難易度・範囲・受験科目が大学や学部毎に違い、配点や入試方式も異なるため、まずはゴールとなる志望校を明確にしていくことが重要です。受験科目を全てハイレベルで習得するのは物理的にも難しいので、効率の良い道を見つけていく必要があります。

―――注目すべきは、大学独自試験と英語。

東海エリア担当部長:
これから大学独自の試験も大きく変わるといわれています。例えば早稲田大学の政治経済学部では、2021年度入試より「大学入学共通テスト」と「英語外部検定試験」、「学部独自試験」の合計点で選抜するとしています。
学部独自試験は、‟日・英の両言語による長文を読み解いたうえで回答する″とされ、入試を想定したサンプルがホームページでも見られるようになっています。しかし、これはあくまでもサンプルであり、実際にどうなるかはまだ分かりません。そこでサンプルにだけ飛びつくのではなく、まずは基礎学力をつけることが大切です。基礎学力をつけておくことで、最終的に早稲田大学の方針が出たら、いつでもその対策に望める体制となります。

――― 一方、同じ英語であっても独自試験を行わない大学も。

東海エリア担当部長:
立教大学は、2021年度入試より民間の英語資格・検定試験を全面的に導入することを発表しています。(※文学部のみ独自試験を実施予定)
ここで重要なのは、「各試験の実施月から遡って2年以内に受験し取得したスコアを有効とする」としていることです。
入試直前に高いスコアを狙うにはプッシャーもかかりますが、早い段階でスコアを取れていれば、安心して他科目の試験に望めます。このような大学を志望校としている生徒さんには、いち早く検定の話などを伝えています。

―――2021年度入試から、一定の評価が定着している英語資格・検定試験の成績情報を、大学入試センターが一元で集約し、各大学に提供する「大学入試成績提供システム」を設けることが文部科学省から発表された。
*システムを活用するかどうかは、各大学の判断に任されています。学科等によっても条件が異なるため、最新情報は必ず各大学のウェブサイトを確認してください。

東海エリア担当部長:
国立大学をはじめとする多くの大学で導入される「大学入試成績提供システム」では、システム上登録されるのは高校3年生の4月~12月に受けた試験の成績2回までとされています。多くの私立大学は入試2年前からのスコアを有効としているから…と思って志望校の情報をきちんと調べずにいると、全然違う条件ということがあり得るので注意が必要です。

*高校3年生の4~12月に90日以上入院していた人、海外で120日以上生活していた人には例外措置があります。詳しくは文部科学省のガイドラインを確認してください。

東海エリア担当部長
高校3年生の秋ごろになって志望大学が変わる生徒さんもいます。しかし受験対策という面では高校2年生には、できれば志望とする大学・学部学科を夏休みには確定させたいですね。そうはいっても、中々難しい場合もあると思います。先ずは生徒さん自身が「国立に行くか、私立に行くか」「理系か文系か」「どの難易度までを目指すか」ということから決めていけるとよいですね。志望大学の選択が早ければ早いほど、早く着手することができ、周りとの差を付けやすいと思います。

―――湘南ゼミナール主催の河合塾マナビスでは、生徒さん向けにMARCHをはじめとする首都圏の人気大学を中心に大学説明会を頻繁に開催。9月には横浜国立大学、千葉大学、立命館大学や南山大学の説明会開催も予定。

東海エリア担当部長:
生徒さんに少しでも早く、正しい情報を知ってもらうために、各大学の広報に協力いただき受験科目や大学入試改革に関する最新情報をご説明いただいています。これまでセンター試験の難易度は6割平均となるように作られていましたが、新大学入試では5割平均となり、1割難化する方向です。河合塾の「大学入学共通テストトライアル」という模試を受けた6万人のうち、記述式問題3問中で1番難しい問題の正答率は6%でした。言い換えれば94%の人が解けないような問題なんです。それを解けるように注力する前に、簡単な問題で取りこぼしがないように基礎を固めていくことです。
新大学入試に関する多くの情報で不安になる方もいるかと思います。しかし新大学入試でも、何をおいても、基礎学力が重要というのは一貫して変わらないことだと思います。来たる2020年に最後のセンター試験を受ける皆さんも、全力でサポートしていきますのでアドバイスタイムをぜひ有効活用してください!

以上、取材より

2021年度入試より開始される「大学入学共通テスト」は、センター試験と同様に1月中旬の2日間で実施されます。実施初年度は、センター試験と同様の6教科30科目が出題され、科目の選択方法もセンター試験と同様です。

2021年度入試を控え、2020年度に英語の民間試験を受験する可能性がある現高校2年生は、今年11月には高校を通じて大学入試センターへ共通IDの申込を行う必要がありますので、学校ともご相談ください。

高校生のための学習塾『河合塾マナビス』では、河合塾の中でもわかりやすさで受験生の支持を集める人気講師の授業を映像授業として提供しています。なかでも湘南ゼミナールが運営する河合塾マナビスは、河合塾マナビスの厳選された映像授業+湘南ゼミナールのノウハウを活かしたアドバイスタイムで、2019年度の大学受験においてMARCH合格実績は神奈川県内No.1の1,254名の生徒さんが合格しています。

*MARCH(マーチ)とは、関東にキャンパスを構える私立大学である「明治大学(M)」、「青山学院大学(A)」、「立教大学(R)」、「中央大学(C)」、「法政大学(H)」の5校の頭文字をとった用語です。