湘ゼミコラム

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「現役東大生&卒業生×湘南ゼミナール コラボ授業」【後編】

2019.10.24

前編よりお届けしております、湘南ゼミナールVISIONARY SWANSのキャリア教育企画 番外編では、難関高受験コースの生徒さん43名が東大を訪問!

後編では、現役東大生で結成された東大女子キャン運営委員会の皆さんによる、東大ツアーからスタートです!研究室スタッフによる研究内容の説明や、総合図書館見学も開催します。

それでは以下より、 東大生による中学生のための特別授業【後編】をご覧ください。

東大生企画ツアーだからこそ見える
東大の魅力と、学びの楽しさ

―――秋晴れのなか、東京大学のキャンパスツアーがスタート!

写真:赤門前にて生徒さん1グループの記念撮影
写真:登録有形文化財の安田講堂。卒業式もここで行われる。

―――東大といえば!というほどニュースなどでもよく見る、赤門や安田講堂はもちろんのこと、夏目漱石の長編小説「三四郎」で三四郎が美穪子と出会ったとされることから名が付いたと言われる三四郎池なども見学しました。

写真:2010年に建て直しで解体されるも、建築学者 内田祥三(工学部教授・後の14代総長)によって設計された旧館の外観が再現された工学部3号館。

―――次に、生徒さんたちが案内されたのは、工学部3号館にある野地研究室。特別に研究内容を教えていただける貴重な体験です!

写真:3Fにある野地研究室から見える建築デザインも、とても素敵です。
写真:野地研究室にて研究テーマを聞きに行きました。

―――野地研究室は、野地教授含め38名の大学生・大学院生および研究員が所属する生物物理学の研究室です。ここでは大学院生の友原さんによる研究内容の特別レクチャーが行われました。

友原さん(大学院生):
「突然だけど、僕の母校の入試問題で出た問題を出します。」

Q.ドラえもんは、なんで生物とは言えないのでしょう?

生徒さん:
「機械だから?」

友原さん(大学院生):
「ではロボットと生物の違いって何だろう?」

生徒さん:
「……。」

友原さん(大学院生):
「”生きてるもの”っていうのは、3つくらいの特徴があります。
1つ目は、自分と外の境界があること。
2つ目は、成長して子どもをつくる能力があること。
3つ目は、エネルギーを蓄えて使えること。要するに、ご飯食べて運動したりとかね。

実際に生物は、この3つと同じことをやっています。子どもの増やし方はいろいろあるんだけど、哺乳類みたいにお腹の中で子どもを作るものもあれば、鳥は卵を作るし、植物は種、菌類は胞子をまき散らして増えていったり、バクテリアのように分裂して増えたりするものもあります。その生物には、”一番最初の生物”っていうのがいて、それには親はいないわけだよね。

その”一番最初の生物”がどうやってできたのかというのが大きな問です。僕らの研究室では、本当にゼロから親がいない生物を作れるのか、それが作れたら生物の起源ってこんな感じかもね、と言えるかもしれないと日々研究しています。」

―――”ゼロから作れるか試してみる。”そんな研究テーマがあることを、この日初めて知った生徒さんもいるのではないでしょうか。
野地研究室では、生物の3つの特徴を兼ね備えた細胞サイズ(0.01mm)の顕微鏡でしか見えない細胞を作ることから始めており、友原さんはそれらの細胞にDNAや遺伝子情報を入れらるか?といった研究を進めているといいます。

野地研究室の詳しい情報はこち

―――そしてツアーの最後に尋ねたのが、「総合図書館」。蔵書数は128万冊と附属図書館のなかでは最大。まさに、東京大学の研究・教育活動を支えてきた図書館です。

写真:総合図書館の外観。絵本を並べたような独創的なデザイン。

総合図書館は、関東大震災で炎上全焼した後の1928年に再建されたもので、およそ90年の歴史があります。関東大震災で蔵書を焼失したとはいえ、価値の高い資料や書籍が多数集積しています。
葛飾北斎の絵手本「北斎漫画」や、歌川広重の「義経一代記」といった美術的価値が高いものや、誰もが教科書で一度は見たことのある「解体新書」も所蔵しています。

―――総合図書館の扉を抜けると、重厚な建築にレッドカーペットが敷かれた大階段が現れます。これには参加した生徒さんの保護者様もびっくり。今回は特別に一般公開不可のエリアに生徒さんをご案内いただきました。

*総合図書館では施設内の一部のみ見学が可能です。詳しくはこちら

―――その後、教育学部塔へ戻った生徒さんたちは、東京大学文学部4年の加藤さんによる「社会学の模擬講義」を受講しました。

*社会学とは・・・
社会の中にある個人の行為や、集団の持つ特性、他社とのコミュニケーションなどに一定の法則性を見出し、社会のしくみや、現象の起こる原因に関するメカニズムや働きを解明する学問とされています。この分野を学んだ先に繋がる職種としては、テレビ番組制作者や、新聞記者、雑誌・書籍の編集者、コピーライターなど多岐に渡ります。

―――模擬講義では、バラエティ番組にみえる移り変わりを学びました。また、オンデマンド配信サービスなどによりどこでも好きな場所・時間にそれぞれが映像サービスを楽しめるようになった今、テレビの必要性が継続されるのかを皆で考えました。

文学部4年 加藤さん:
「SNSやオンデマンド配信は、自分が興味のあるものを拾いにいきます。反対にテレビは番組表が組まれているので、自分の興味があることだけではないかもしれません。その反面、新しい発見をすることもあります。」

―――その後に設けられたディスカッションの時間では、現役東大生が各グループを回り、さまざまな質問に答えてくれました。特別授業を終えた生徒さんたちは…

生徒さん:
「東大生って聞くと、雲の上の人みたいな感じがしてたけど、案外自分たちと変わらなかった。頑張ればみんなできるのかなと思った。」

生徒さん:
「人それぞれ違った勉強法でやっているんだなというのは発見だった」

東大女子キャン運営委員会:
「今日、東大に来て目標が見つかったという人もいるかもしれません。まだ具体的に見つからない人も多いかと思います。何か感想1つでもいいので、持ち帰ってもらえたらと思います。」

以上、取材より。

“東大を目指す女子学生を増やしたい”と活動する東大女子キャン運営委員会には、男性の姿も多く見られます。いわゆる、ジェンダー(社会的・文化的につくられる性別のことを意味し、料理=女の仕事などと役割を決めてしまうことを言う)による社会での男女差別を無くすためにも、まずは東大の中に女性が増えるよう、中高生に向けた活動を行っています。

写真:東大女子キャン運営委員会のみなさんと、ご参加いただいた湘南ゼミナールの生徒さん・保護者様

湘南ゼミナールの難関高受験コースでは、この特別授業を通して東京大学や学生さんたちの魅力に直接触れることで、生徒さん自身が少しでも今やっている勉強の価値を感じてもらいたく企画いたしました。
たくさんの勉強の先に、こんなにもいろいろなことができて、面白くて、変(?)で、最高に楽しい学びを続けている人たちがいることを、どこかで思い出してもらえたら幸いです。

ご参加いただいた皆さま、ならびに東大女子キャン運営委員会のみなさま、ありがとうございました。

東大女子キャン運営委員会公式SNS

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※※本企画は東大女子キャンと湘南ゼミナール双方が、CSR(社会貢献)活動の一環として、難関高受験コースの生徒向けに無料にて行っております※※