高校受験の疑問「志望校を1つ下げたらトップで入学できますか?」

2020.10.26

高校受験の志望校検討がより具体的に進む時期に差し掛かるとお悩みになる方も多い、「志望校を1つ下げたらトップで入学できますか?」といったご相談について、湘南ゼミナール進路情報戦略室長 秋山がデータをもとに回答いたします!

ぜひ、以下よりご覧ください。


これからは模擬試験を受ける回数も増え、志望校の検討がより具体的に進む時期になります。1学期(前期)よりこだわりが明確になり、次のように考える生徒さんが増えていきます。

「今の第一志望にギリギリで合格するより、1ランク下げてその学校でトップにいたい。」

「A高校より下には絶対に下げたくない。レベルが低いから。」

どんな状況でやる気になるかは本人次第なので、一概に否定はできません。
志望校のランクを下げるほど合格の可能性が高まるのは事実ですが、問題は「1ランクの違いがどの程度の差なのか」を正しく認識できていない点です。

一部の上位校を除き、実際には1ランクの差にそれほど大きな学力差はありません。そこを正しく認識していないと、「1ランク下げてもトップの位置にはならない受験」や「合格可能性が厳しい受験」になってしまいます。

実は、「わかりやすさ」を求める昨今の風潮が、そのような認識のズレを生み出してしまっています。
多くの学校情報誌には合格の目安となるような偏差値・成績などの「代表値」が表示されている。私たちもまた、その代表値を比較して学校のレベルを把握していることが多いともいえます。学校数が多い神奈川ではその方が分かりやすく目安の志望校を見つけられるからです。

しかし、実際には合格者の実力も一様ではなく、様々に「分布」しています。

旧横浜中部学区の中堅3校の学力分布を例に見ていきます。弊塾の昨年合格者の偏差値の平均や散らばりを元にモデル図を作成すると図1のようになります。

図1

横軸は偏差値、縦軸は合格者に占める人数の割合。偏差値は舞岡高校合格者の平均偏差値を0として、その差を表示。(ただし、実際にはこのような綺麗な曲線にはならず、凹凸が多いグラフになる。)

図1では、金井高校と舞岡高校で学力分布の山が三分の二ほど重なっていることがわかります。上矢部高校と舞岡高校でも同様だ。仮に図1の『A』のように金井高校内で偏差値下位(「-6」の位置)だったとすると、舞岡でも下位三分の一に入り、上矢部でも下半分に入ることになります。

結果的に「1ランク下」は入学後の努力を免除する差ではなく、異なる学力層が入学する学校でもないということです。志望校を選ぶ際は、安易に上下させるのではなく、実態をしっかり見据えていただけたらと思います。

解説:湘南ゼミナール進路情報戦略室長 秋山清輝