湘ゼミコラム

高校受験・入試

数学が苦手でも大丈夫!高校受験に向けた勉強法と問題集の選び方

2019.05.07

定期テストと違い、高校受験は選抜するための試験なので難問も出題されます。特に数学においては、難関校になればなるほど応用問題が複雑化してくるため、対策が必要です。そこで、今回は高校受験における数学の勉強法と問題集の選び方について説明します。

数学の基礎固め!高校受験には定期テストの結果も大事

高校受験に必要なのは、受験勉強だけではありません。多くの高校では、入学試験の点数と内申点の両方を加味したうえで入試選抜を行います。そのため、高い内申点をとる必要があるのです。内申点には、定期テストの点数も反映されます。内申点に反映する定期テストは、中1から中3までであったり、中3のみであったりと、地域によってさまざまです。「受験校がどの範囲の定期テストを内申点に含むのか」について、確認しておくとよいでしょう。どの時期の定期テストが反映されるにしろ、受験対策だけでなく定期テストにも力を入れる必要があるのは確かです。

定期テストレベルで高得点がとれるよう勉強しておくと、基礎がしっかり固まり、入試対策への好影響が期待できます。そのため、中学1年生のころからテストの見直しをする習慣をつけましょう。そうすることで、中学校で習ったことをきちんと理解し、押さえた状態で中学3年生の夏休みが迎えられます。中学3年生の夏休みからは、受験に向けて実力アップしていく時期です。そのため、継続して定期テストの見直しをしておけば、この時期に2年間の総復習にかける時間を減らすことができるのです。

ポイントを抑えよう!高校受験における数学の勉強法

高校受験における数学の勉強は、いくつかのポイントを押さえておくことで、効率的に進めることができます。ここでは、数学の分野別に勉強法について解説します。

方程式の勉強法

方程式の計算自体は、繰り返し練習することでできるようになります。そのため、一工夫したいのは文章問題の勉強です。まずは、問題文をしっかり読み、正確な内容を理解して問われていることが何か、さらに何をXとするのかを正しく捉えます。そのための対策として有効なのは、規則性の文章題を何度も読み、問題のクセに慣れることです。問題を解いたあとに、もう一度問題文を読み返すとよいでしょう。そうすることで、規則性の問題に共通するパターンが見えてくるはずです。

次に、文章題を読んで方程式を作る練習をします。一次方程式に加え、一次関数(y=ax+b)にも力を入れましょう。y=ax+bという公式に当てはめて方程式を作れるようになれば、あとはxの値を導き出すだけです。そのため、できるだけ多くの文章問題をこなし、問題に慣れるように勉強することを意識して進めましょう。

図形の勉強法

図形の面積や角度、体積などを求める問題は、比較的単純な計算で求められます。しかし、文章での記述が求められる証明となると、苦手意識をもつ人が多い傾向です。証明をするという作業は、数学のベースになるものです。条件や定義、性質など証明に必要な要素を覚え、証明を書けるよう練習していきます。客観的に見ることで、自分の書いた証明が正しいかどうかを判断することができます。そのため、自分の証明が合っているかどうかを先生に添削してもらいながら勉強をすすめるとよいでしょう。なぜなら、自分では正解だと思っても、客観的に見ると間違っている場合がありますし、その逆もあり得るからです。

関数の勉強法

関数の問題は、言葉の定義を理解できるかどうかが重要です。例えば、変化の割合とはyの増加量/xの増加量ということを理解しておく必要があります。なぜなら、一次関数における傾きのことだという浅い理解では、二次関数でつまずく可能性があるからです。中学校で学習する関数は、高校数学で学ぶ内容とつながっています。解けるだけでなく、理解できることに重点を置いて勉強するよう意識しましょう。

高校受験対策に!問題集や参考書の選び方や進め方のポイント

高校受験対策として、問題集や参考書を活用する人も多いでしょう。なんでもやればいいというわけではありません。自分に合った問題集や参考書を使わないと、勉強時間をたっぷり確保しているのに成績が上がらないということにもなりかねません。また、問題集の使い方を間違えると、いつまでたっても学力がつかない可能性もあるのです。ここでは、数学の問題集や参考書選びのポイントを紹介します。

受験校のレベルに合わせて選ぶ

問題集や参考書は、受験校のレベルに合ったものを選ぶことが大切です。偏差値が50~60の中堅校もしくは上位校を目指すのであれば、基礎問題が豊富に掲載されている問題集を選び、解けるまで繰り返しましょう。偏差値が60以上の上位校を目指すのであれば、応用問題まで載っている問題集を選び、取り組む必要があります。また、現時点の自分が解けるレベルの問題が含まれているかどうかも、問題集や参考書選びにおいて重要です。例えば、10問中1問しか解けないようなレベルのものを選んでしまうと、途中でやる気を失う可能性があります。さらに、時間がかかったりむずかしかったりといったイメージが苦手意識へと変わり、勉強がはかどりにくくなるのです。

そのため、実際に手にとり、今の自分が8割くらい解けそうなものを探すとよいでしょう。まずは、自分のレベルに合った問題集を完全に理解し、そのうえでよりハイレベルな問題集にチャレンジするというように、段階を踏むことが大切です。

問題量よりも解説量の多いものを選ぶ

問題集や参考書選びにおいて、外せないもう1つのポイントが、解説が丁寧で豊富かどうかという点です。問題集や参考書によっては、解答のみが記載されているものもあります。もし自分で解けない問題があった場合、解答のみが掲載されていると、自分がその問題を解けなかった理由や、どの段階でつまずいたのかということがわからないままです。再び同じ問題にチャレンジしても、またつまずいてしまうでしょう。数学の勉強では、間違えた問題を自分で解けるようにすることが、成績の向上につながります。

また、何となく正解できた問題も解説があれば、より効率的に解答にたどり着く方法が習得できるのです。そのため、問題部分よりも解説部分が分厚い問題集や参考書を選ぶとよいでしょう。

まずは1冊の問題集を終わらせる

問題集や参考書は、数をこなせばこなしただけ力がつくと思うかもしれません。しかし、最初から何冊も購入してしまうと、わからない問題や単元が出てきたときに、ほかの問題集から先にやろうと途中でやめてしまう可能性があります。そうすると、2冊目の問題集でも同じ単元や同じパターンの問題でつまずいてしまうため、結果的に時間を無駄にすることになるのです。問題集を使う目的は、わからない単元や苦手な問題を見つけ、自覚することです。そのため、まずは1冊を最後まで終わらせることが重要といえます。

最後まで終わらせた問題集は、もう一度取り組みます。その際には、1回目でできた問題は飛ばし、間違えたりできなかったりした問題だけ解きましょう。3回繰り返すことで、理解が深まり、ほとんどの問題を自力で解けるようになるはずです。

数学が苦手!それでも高校受験を突破するには

数学に苦手意識をもっている人は、少なくありません。できれば数学以外の科目だけを受験したいという人もいるでしょう。しかし、数学は高校受験に欠かせない科目です。ここでは、数学が苦手でも、高校受験で高得点をとる方法について解説します。

わからない問題は前の分野に戻ってみる

数学の理解度を上げるために欠かせないのが、わからない問題に当たったときは、前の分野に戻って復習することです。数学は、得意不得意が分かれやすい科目といわれています。なぜなら、前学年から学習してきたことをきちんと理解できていないと、その次の学年で習う内容が理解できなくなるからです。例えば、中学1年生で学習する方程式の計算が理解できないまま進級すると、中学2年生で学習する連立方程式を理解することはできません。また、小学校で学習する分数の計算を押さえていないと、中学2年生で学習する確率の計算でつまずいてしまいます。このように、数学は小学校からの積み重ねが必要な科目です。

理解できない問題を放置してしまうと、次の単元を理解するための土台が不安定な状態になります。その結果、どんなに授業を聞いて問題に取り組んでも、理解できず成果が出せません。そうすると、受験勉強を始めたときに「何がわからないのかがわからない」という状態に陥ってしまいます。この状態を解決するには、教科書を1つずつ遡り、つまずいた箇所を洗い出す作業が必要です。そんな無駄な時間を作らないためにも、わからない問題が出てきたら、その前に学習した単元まで遡り、復習して理解してから再度取り組む必要があります。日々の学校の宿題や、定期テストの見直しなどを通し、既習事項がきちんと理解できているかをチェックすることを習慣化しましょう。

テストでのミスを無くすために反復練習をする

まずは、自分がどんなパターンのミスをしやすいか、実際にミスをした問題をもとに振り返ることが大切です。テストでのミスのパターンは、大きく分けて計算ミスと問題読み取りミスの2種類があります。計算ミスが多い場合は、途中式を大きく書きながら計算するよう、反復練習しましょう。途中式が複雑になればなるほど、小さく書くとミスが増えます。また、簡単な計算だと、つい暗算してしまいたくなりますが、ミスが増える原因となるため、必ず途中式を書いて計算するようにしましょう。大きな字で書くと読みやすいため、あとから見直しをする際にも計算間違いに気づきやすくなります。

計算ミス対策としてもう1つ有効なのが、もう1度計算をしなおす練習です。自分が出した答えが間違っていないか、検算します。例えば、方程式に解答を入れて成立するかを確認するなどです。検算をして答えが合わなかった場合は、計算過程や式変形を1つずつ確認し、計算ミスをした所を探す必要があります。他人が書いた答案のつもりで、できるだけ客観的に見直しましょう。特に、計算ミスをしやすい問題は時間をかけて見直すよう意識します。方程式を立てる問題や、直感で検算ができない問題が当てはまります。

また、問題読み取りミスが多い場合は、問題文の条件や質問などにアンダーラインを引くことを意識するのが有効です。解けたはずなのに間違っていたというケースもあるでしょう。そのような場合は、テストが返却されたあとに間違えた問題を再度解きなおします。また、普段から時間を計って問題を解く練習をすることで、時間のプレッシャーに負けず落ち着いて問題を解けるようになるでしょう。

問題の数をこなして解法パターンを覚える

高校受験で高得点をとるためには、問題の数をこなすことも大切です。なぜなら、問題数をこなすことで解法パターンを覚えることができるからです。数学の応用問題は、3種類あります。1つ目は、使う知識がわからない問題です。特に、関数や図形の問題に多いといえます。2つ目は、不要な情報がたくさん含まれている問題です。3つ目は、ひらめきが必要な問題です。問題を解くときには考えてもわからなかったのに、あとから解説を読むと「そういうことか、簡単な問題だ」と思ってしまいます。図形問題に多く、視点を変えることで解けるようになる問題です。

これらの応用問題が解けない原因は、基礎の理解が甘いことや問題の数をこなしていないことなどが挙げられます。難問であっても、基礎的な知識を組みあわせることで、答えを導き出すことは可能です。また、さまざまな問題に触れることで、たくさんの解法パターンを身につけることができます。そうすれば、複数の視点から問題にアプローチし、解けるようになるのです。特に、1つ目と3つ目のタイプの応用問題は、問題数をこなして基礎を固め、解法パターンを覚えることで正答率が高まるでしょう。

数学は積み重ね!思考力を高めて高校受験に備えよう

高校受験における数学のテストは、小学校の算数からの積み重ねであり、思考力が必要です。数学に必要な思考力は、7つの力で構成されています。7つの力とは下記のようなものです。

・情報整理力
・複数の視点から見る力
・イメージ力
・抽象化する力
・分解力
・変換力
・総合し説明する力

数学に苦手意識をもっている人も、自分には無理だとあきらめる必要はありません。「単元を遡って復習する」「過去問を繰り返して解く」などで、克服することは可能です。また、受験に向けてやる気が続かないという人もいるでしょう。そういう場合は、「場所を変える」「友達と励まし合う」なども1つの方法です。とにかく机に向かって勉強を続けることで、作業興奮という状態になり、脳の一部が刺激を受けて集中力が高まったり、やる気が出たりすることが期待できます。

そのための手段として、塾へ通うのもよいでしょう。自分1人の力だけで高校受験にチャレンジするのが不安な人は、このような思考力を育てる湘南ゼミナールで、高校受験に備えて数学を勉強しましょう。