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中学受験を成功させる!苦手を得意に変える国語の勉強方法を紹介

2019.04.01

数学や理科のように答えの出し方が明確である科目と比べると国語は勉強法が確立されていません。そのため、中学受験では準備が手薄になる傾向にあります。しかし、国語も中学受験の必須科目であり、受験を成功させるためには欠かせない科目です。この記事では、中学受験における国語の勉強方法について解説します。

中学受験における国語の重要性

中学受験では国語は大変重要です。なぜならば、中学受験において国語は算数と並んで高配点になっているケースが多く、受験を成功させるためには国語できちんと点数を稼いでおく必要があります。ところが、中学受験においてもっとも重点的に対策される傾向にあるのが算数です。中学受験では、小学校では習わない特殊算や図形の複雑な問題が出題されるだけでなく進度も非常に速いため、時間をかけてしっかり学んでいかなくてはならないためです。数学の対策に時間をかけるあまり、国語は後回しにしても大丈夫と考える人も少なくありません。しかし、中学受験の国語もきちんと対策をしておかないと得点を稼ぐのが難しいのです。

中学受験の国語でよく出題されるのは文章問題です。文章問題では、「答えを導き出す思考力」や「内容を正確に把握する読解力」などが求められるため、ただ物語の読み方や単語を暗記するだけでは歯が立ちません。また、国語の勉強は読む力を鍛えます。算数でも長い文章を読ませたうえで計算を解かせるという問題が増えており、国語はほかの科目の問題文を正確に読み取るときにも役立ちます。つまり、受験突破のためには、要である国語をしっかり勉強しておくことが大切です。

国語の偏差値を上げるにはどうすればいい?

一般的に指導されることの多い国語の勉強法は、とにかく問題集や過去問を読んで解くというものです。しかし、国語は算数と違って問題を多く解くことですぐに実力が身に付くわけではなく、このような勉強法だけで国語の偏差値を上げるのは難しいといえます。国語の偏差値を上げるには、間違えた原因をきちんと分析することが大切です。たとえば、語彙力が乏しい、読解力が不十分、問題を解くための方法の理解が間違っているなど、点数が取れない原因はさまざまです。正しい原因を知るためには、添削にきちんと目を通しましょう。

また、客観的な評価を参考にしたうえで、自身の読解力や文章表現力などと向き合う必要があります。そして、ある程度時間をかけて論理的思考力や想像力を育み、読解力や語彙力を高めていくことが重要です。じっくりと時間をかけて鍛える分、一度身に付いた論理的思考力や想像力は暗記した知識のようにすぐに消えてしまうことはありません。

中学受験ではここがポイント!国語の勉強方法

中学受験での国語の勉強方法では、記述や文法、物語文、漢字などをしっかり勉強し、対策していくことが大事です。ここからは、それぞれの勉強方法について詳しく解説していきます。

記述の勉強・受験対策方法

中学受験の国語では、記述問題が導入されているケースが多く、さらに記述問題は配点も高い傾向にあります。記述問題は人によって得意、不得意が分かれやすいため、特に苦手な場合は自覚を持って充分な対策を行う必要があります。記述の勉強方法としてもっともシンプルかつ効果があるのは、普段から読書をする習慣を身に付けておくことです。小説でも良いので日々文章を読むことに慣れておくと読むスピードが上がり、自然と知識や語彙力も増えます。読書をしていて読み方のわからない言葉がでてきた際にはすぐに調べておくことも大切です。

また、問題文にも多く触れておくと、題材やキーワードから内容や物語のテーマ、出題者の意図などがつかめるようになってきます。気になった新聞記事や読んだ小説の要点をまとめてみるのも、読解力の向上には効果的です。さらに、音読を毎日続けることで目だけではなく耳からも単語を覚えられ、自然に助詞の使い方が身に付いてきます。加えて、記述が苦手であっても、実際に書く量を増やさなければ上達しないので、書く練習もするべきです。最初は上手に書けなくてもかまいません。プロが書いた新聞のコラムなどの短い文章を書写するところから始めても良いでしょう。

文法の勉強・受験対策方法

中学受験の文法では、品詞の種類や識別、敬語の種類、紛らわしい語の識別など、若干ひねった問題が出題される傾向にあり、十分に対策を練っておくことが大事です。品詞は単独で出題されることは少ないですが、読解問題で文中から要点を絞る、登場人物の心情を理解するときなどには必要になります。名詞や動詞、形容詞、接続詞などのそれぞれの働きをきちんと理解しておきましょう。敬語についても正しい使い方を勉強しておくことが大切です。中学受験の場合は受験生がまだ敬語の使い方を会得できていないケースもありますが、敬語の問題は読解問題と違って理解しておけば確実に点数が取れます。特に目立つのは、尊敬語と謙譲語の区別ができないケースです。

たとえば、「申し上げる」と「おっしゃる」のように、主語によって使い方が異なる言葉は混同しやすく、理解が難しい傾向にあります。これらの区別については、先生や家族などとの会話を通して、実践的に敬語を使って話す機会を増やすことで理解力が高まります。間違った使い方をしていたらその場で大人が正しい言い方を教えてあげることも大切です。最後に、紛らわしい語の識別も問われる場合がありますが、助詞や助動詞の持つ複数の意味合いや働きなどを理解しておくことがこれらの対策になります。

物語文の勉強・受験対策方法

中学受験における物語文では、「登場人物の心情」について問われる読解問題がよく出題されます。正解を導くためには、物語の内容を正確に理解し、「誰の」「どのような心情」が描かれているのかという客観的な根拠を探し出す力を身に付けることが必要です。小説などを読んでいるとつい主人公に自身の心情を重ねて共感してしまうことがありますが、受験ではこの共感が落とし穴になってしまうケースが目立ちます。中学受験では文豪の作品だけでなく、受験生の年頃に近い主人公の心情を読み解くような問題が出題されることもあるのです。

そのような問題の場合は、正しく対策をしていないと主人公の気持ちではなくつい自分の思いを書いてしまいがちです。受験の物語文においてはそれがどんなにオリジナリティーのある素晴らしい回答であっても、主観的な思い込みは正解にはしてもらえません。読解力はすぐには身に付くものではありませんが、なるべく多くの読解問題を解き、「心情を表すキーワードを文中から見つけ出す」訓練を繰り返し行うことで鍛えられます。

また、物語文では主人公の回想シーンなどが途中に挟み込まれて、前後で時間軸が変わるケースも多くみられます。場面の移り変わりは物語における重要な転換点に位置づけられることが多く問題として出題されることも少なくありません。時間や場所、その場の登場人物、そのときに起こっている出来事など、客観的な「場面」を正しく読み取り、問題に対応する根拠を見つけられるようにしておく必要があります。限られた試験時間の中で物語文を効率よく解いていくコツは、まず設問文に目を通すことです。設問文を先に読んでおくことで何を聞かれるのか想定できます。たとえば、主人公の心情や変化に関する設問があればその点に注意してポイントとなるキーワードを探しながら読んでいくと、正解に近づきやすくなるでしょう。

漢字の勉強・受験対策方法

中学受験における漢字の読み書き問題は暗記分野ですので、しっかり覚えておけば確実に点数につなげられることはもちろん、将来にも役立ちます。漢字の暗記においてもっとも大切なのは学習の積み重ねです。漢字は使わないと忘れてしまいやすくなりますので、毎日着実に学習を進めていきましょう。たとえば、朝食の前、寝る前など毎日5分でも良いので、できるだけ間を空けずに学習を継続することが肝心です。その際、よく間違ってしまう漢字だけ切り出して、専用のノートを作って対策すると効率的です。また、さまざまな参考書に手を出すよりも、できるだけひとつの参考書と向き合って1冊ずつ確実にやり遂げていくほうが身になります。

体を使ってきちんと漢字を覚えていくことも大事です。具体的には、漢字の場合は目で追っているだけではなかなか会得できませんので、手を使って書き、発音しながら耳で覚えることも必要です。さらに、書き方については、漢字の部首や成り立ちなどの意味を理解すると覚えやすくなります。漢字にはそれぞれ意味があるため覚えておくと文章読解にも役立つでしょう。ただし、意味から学ぶという方法はその分時間もかかるため、すでに6年生に進級していて時間がない場合にはあまり効率的とはいえない場合もあります。まだ4年生や5年生などで受験までに時間がたっぷりある場合には、意味から教えていくと良いでしょう。加えて、訓読みとセットで書いて覚えておくとさらに漢字の力が高まります。

中学受験の国語の勉強でおすすめの問題集は?

中学受験の国語では、市販の本に加えて、問題集や参考書などを使って勉強するのも受験対策に大いに役立ちます。問題集は過去問が多く掲載されているものを選ぶと力がつきやすくなります。また、漫画で内容が説明されているものもラインナップに加えておくと良いでしょう。漫画であれば、勉強という雰囲気が和らぐため楽しみながら学習できますし、楽しみながら学んだことは知識として定着しやすいでしょう。ひとつの方法だけではなく、複数の方法を必要に応じて取り入れていくと多面的な学習が促進されるでしょう。

問題集は学習を進めるうえでは便利なツールですが、すべの受験生に主体性があるとは限りません。特に中学受験をするような小学生の年齢では、問題集を使って個人で勉強をすることは、モチベーションの維持が難しい場合もあります。確実に力をつけたいのであれば、やはり親がついて勉強をみてあげる必要もあるでしょう。親の根気が試されるうえ、仕事や家事と両立するうえでは時間の捻出が大変な場合もあります。効率的に国語の学習を進めたいのであれば、塾などを利用するのもひとつの選択肢です。

塾と家庭教師はどちらがおすすめ?

中学受験対策として、親が頭を悩ませるのが塾と家庭教師のどちらを利用すべきなのかという問題ではないでしょうか。特に、東京などの都市部では塾や家庭教師のサービスが多くみられます。選択肢が豊富な分、どれがもっとも最適なのか悩むケースも多いといえます。正しい選択をするために知っておくと良いのが、塾と家庭教師では基本的な役割が異なるということです。まず、塾は受験対策に特化した場所であるのに対し、家庭教師は勉強における問題点の改善や塾の学習からこぼれた部分のフォローなどが基本的な役割となります。塾には合格のためのノウハウやテクニックが豊富にあり、限られた時間のなかで受験に必要な学習を行っていきます。

こうした役割の違いを踏まえると、受験対策が第一目的の場合は、受験対策用のカリキュラムがしっかりと用意されている塾を選ぶことが望ましいといえます。特に、難関校突破の実績が多く、生徒に勉強を教えるテクニックに優れており、授業の質が高い講師が在籍する個別指導型の塾を選ぶと良いでしょう。個別指導型の塾のメリットは、生徒の強みや弱みに沿った最適なカリキュラムを用意してもらえるなど、一人ひとりに合わせた効果的な授業が受けられることです。

たとえば、受験までの期間を逆算して授業数を割り出し、特に苦手な科目の授業数を多めにするといったフレキシブルな対応も可能です。また、生徒数が少ないほうがより生徒側も質問しやすく、きめ細やかな指導が受けられる可能性が高まります。加えて、受験までの準備期間があまりなく、短期間で成果を出したい場合も個別指導塾のほうが有利だといえるでしょう。

中学受験の国語は対策が重要!塾の活用で成績アップを目指そう

述べたように中学受験の成功のためには国語の対策が重要です。また、文章読解力を身に付けておくことが他の科目での底上げにもつながります。国語を苦手科目から得意科目に変えるためには、国語に合った勉強法を取り入れていくことが大事です。受験の合格を目標に国語の苦手克服や成績アップを目指すうえでは、受験に強い塾は強い味方になります。また、中学受験であっても準備することは多いため、受験のための対策はできるだけ早く始めておくほうが有利になります。塾の選択肢に悩んでいる場合は、湘南ゼミナールにご相談ください。