湘ゼミコラム

高校受験・入試

〔中学生・小学生〕うちの子には、どんな受験が向いているの?

2018.09.20

早いもので、9月も中旬です。

中学生の皆さんにも「今、自分はどんな立ち位置にいるのか」を知るためにお読みいただきたい内容をお届けします。

大学受験では同じ土俵

現在、高校受験に向かっている、中学生にとって、数年後に大学受験で同じ土俵で競い合うライバルになるのが、中学受験組の一貫生です。

そこで、どんな学習が行われ、どんな生活をしているのかを知っておくことは、高校受験の勉強の刺激になります。

中学受験をするか迷っている小学生も

「中学受験をした場合、どんな生活が待っているのか」を知っておくことで、中学受験に踏み切るのか、高校受験を選択するのかを決める材料になります。

では「一貫校の中学生の生活」「高校受験生の生活」を比べてることで、「うちの子には、どんな受験が向いているのか」を考えてみましょう。

どちらも、中学校であることは変わりなく、分かりづらいので、ここからは「高校受験のない学校=一貫校」「高校受験をする学校=中学校」と定義して呼んでいきます。

定期テストが「山場

どちらの学校にもあるのが「定期テスト」です。

しかし、「中学校」と「一貫校」では意味合いが大きく異なります。

高校受験のある中学校では定期テストは「評価」の意味合いが強くなります。

神奈川県・東京都・埼玉県・千葉県といった地域の入試では学校の成績(内申)が入試結果に大きく影響します。

中学校では内申をしっかりと出さないと、受験生の入試に影響してしまうので、しっかりとした評価をする必要が出てくるのです。

そして、「中学校」に通う生徒さんは「定期試験対策」に力を注ぎ、その瞬間に最高の結果を出すために準備するのです。

まさに、「山場」です。

湘南ゼミナールでも、定期試験前は試験対策の「パワーアップ補習」を行い、満点を目指して中学生をサポートします。

定期テストのあとに「もう一山

高校受験のない一貫校でも、定期テストは「評価」の意味合いは込められています。学校の成績を付ける大事な材料です。

しかし、一貫校には高校受験がありません。

高校受験の材料を用意する必要がないのです。

すると、一貫校の定期テストは「途中経過の確認」の意味合いが強くなります。

一貫校では6年もの時間を掛けて大学受験に向かうため、途中途中で確認をしながら、必要な場合は軌道修正を掛けなくてはなりません。

定期テストはその「よいきっかけ」になります。

「定期テストで低い点数を取る」=「軌道修正が必要」

ということですので、一貫校の定期テストで低い点数を取った生徒さんは「再試験」「呼び出し補習」といった軌道修正がかかります。

「テストが終わった後に地獄が始まる(笑)」と苦笑しながら一貫生が表現することもあります。

逆の言い方をすると、「補習で合格すればいいや」という余地が生まれやすいことも否めません。

もちろん、すべての一貫生がそういう後ろ向きな姿勢ではありません。まじめな生徒さんがほとんどです。

とはいえ、中学校の高校受験生ほど「目の色を変えて勉強する」ということも少なくなります。

同じように、中学校では定期テスト後、生徒さんの学習量は一気に下がります。

テスト前と同じように、部活に力を注ぎ始めることもできます。

「テストが終わったから、もう天国!」と中学生に表現されることもあります。

成績が天国かどうかはここでは関係がありません。

あくまでも、テストが終わると勉強量が少なくてすむということの比喩なのでしょう。

「それぞれの」先を見据えた取り組み

中学校に通う生徒さんは「高校受験」に全力で取り組みます。

個人個人、頑張れる量に差はありますが、それぞれの生徒さんにとっての全力が注がれているように思います。

この「全力」が次のステージで活きてくるといえます。

大学進学を志望している生徒さんは、そこを見据えて「15歳の大人」としての判断で受験する高校を選択し、そこに向かって歩みを進める経験を積んでいきます。本気になって自ら進んだ経験は人生の中でとても貴重なものになります。

対して、一貫校に通う生徒さんは中学生のときから、大学受験についての具体的な情報に触れることができます。中学校に通う生徒さんが高校受験に向けて「全力」で取り組んでいる間に、「どのような職業があるのか」「大学とはどのようなところか」「どの学部・学科で、どのような学び・研究の機会が得られるのか」ということを知り、人生の選択に向けてしっかりとした準備ができるのです。どちらにも、それぞれにないメリットがあるのです

中学受験高校受験の両方を実施する学校では?

たとえば、中学入試と高校入試の両方を実施している学校の話を聞くと、

大学や職業についての情報が少ない「中学校」の生徒さんが受けた入試を「併設の中学校から上がって来た高校生」が受けると平均点は「中学校から高校受験で入った生徒さんの方が高い」ことも多いようです。これは入試問題を解く訓練した結果ですね。

反面、一貫生は中学生の間からじっくりと大学選びのために時間を掛けているので、大学受験が近づいてきたときには、時間配分をより勉強に割くことができます。6年間の積み重ねを発揮するべく、時間を使うことができるのです。

学習内容を早い時期に終えて、演習授業中心の入試対策に移るのは、一貫校特有のカリキュラムでした。しかし、近年は公立高校でも学習内容を早めに終わらせる高校も増えてきています。先取り学習による勉強面のメリットはの詳しくは各高校の説明会で確認しましょう。

メリハリ」か「じっくり」か

「中学校」にも「一貫校」にも、それぞれの良さがあります。

決められた期限に「しっかりと間に合わせる」そのために「計画を立てて実行する」ことは中学校の良さです。反面、期限を過ぎると「一過性」ともいえる現象が見て取れます。「メリハリ」があるのです。

先を見据えて「じっくり」学び続ける環境は一貫校に分があります。6年間掛けて大学受験を目指すことが出来る時間的な余裕が大きなメリットになります。反面、中2~高1に掛けて「中だるみ」があるとも言われます。余裕はメリハリを奪ってしまうこともあるのです。

中学受験」と「高校受験

「中学受験」と「高校受験」はどちらが「良い」というものではありません

双方に必ず「良さ」がありますので、それを「知って」「活かす」ために選択することが大切になります。

高校受験をする中学校に通う生徒さんにとって、同じ学年の一貫生が「大学受験に向けてスタートを切っていて、大学調べを始めている」ことは大きな刺激になるはずです。ともすると目先の結果に一喜一憂してしまうときに、もっと先の自分を想起し「自分がなぜ○○高校を受けるのか」という理由を思い出すきっかけすることもできます。


小学生やその保護者の皆さまには、「中学校」「一貫校」の違いを事前に知ることで、そこに至るまでの受験勉強を含めた「小学校高学年の生活」や、「中学校・一貫校の生活」に関する情報を、「どの受験を選ぶか」の材料にしていただければと思います。