2022 神奈川県 高校受験/中3受験生の進路希望調査結果 公表!「志願変更」と備えておきたい受験の準備

前回の記事に続き、神奈川県教育委員会発表の最新情報と、県内の受験生なら気にしておきたい「志願変更」手続きについてお届けします。

神奈川県教育委員会より、県内の中3生を対象とした進路希望調査が公表されました。

調査結果によると、昨年度(2021年/令和3年)大学入試で東大合格者50名と急増させた横浜翠嵐高校への期待度が高まり、進学希望者がさらに増加しています。

そこで、高倍率が続く公立難関高校の受験状況と、入試直前期に決断が迫られる「志願変更手続き」について、湘南ゼミナール教務支援部より詳しくご紹介します。

神奈川県内 中3受験生の「進路希望調査」結果を公表!今年の受験はどうなる?

2021年11月26日、神奈川県教育委員会(以下、県教委)が2021年度(令和3年度)公立中学校等卒業予定者の進路希望調査結果を公表しました。

この調査は県教委により年1回実施され、県内の全中3生の進路希望状況を各高校ごとに集計しています。

調査結果によると、
2022年度(令和4年度)入試に向けた、高校等への進学希望者は6万4,898人、
進学希望率は前年度より0.1ポイント上昇した96.7%となっています。

➡️ 県教委 公表/神奈川県内 公立高校 全日制(普通科)進学希望者データより抜粋

横浜翠嵐,神奈川総合,川和,希望ケ丘,光陵,横浜平沼,柏陽,横浜緑ケ丘,新城,多摩,相模原,横須賀,鎌倉,湘南,茅ヶ崎北陵,平塚江南,秦野,小田原,厚木,大和

2021年11月26日神奈川県教育委員会公表情報をもとに作成
※全高校の進路希望調査公表結果から旧学区トップ校を抜粋して掲載しております。※全高校のデータは、神奈川県教育委員会ページより第11表 県内公立高等学校進学希望者の高等学校別希望状況(1)全日制(普通科)等をご覧ください。

➡️ 県教委 公表/神奈川県内 公立高校 全日制(専門学科)進学希望者データ

「舞台芸術」に関する学科

「国際関係」に関する学科

「理数」に関する学科

2021年11月26日神奈川県教育委員会公表情報をもとに作成
※全高校の進路希望調査公表結果から旧学区トップ校を抜粋して掲載しております。
※全高校のデータは、神奈川県教育委員会ページより第11表 県内公立高等学校進学希望者の高等学校別希望状況(2)全日制(専門学科・総合学科)等をご覧ください。

ポイント

2022年度(令和4年度)入試の受験生を対象とした進路希望調査では、大きな数字の変動が見られ、不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

確かに、こうした数字で表れる情報は見た目のインパクトがあり、受験本番にもつながる影響の大きなものです。

しかし、数字を正しく見ることで “ より良い受験 ” に近づくことができます。
大切なことは、こうした情報を上手く活用して、志望校に合格するための準備をすることです。

受験にまつわる「倍率」をどう見るべきか。より良い受験にするための活用法

志望校選びにおいて、誰もが気になる「倍率」。
神奈川県 公立高校入試において、受験終了までの期間で発表される倍率は次の3段階です。

① 進路希望調査の(希望者数)➗(募集定員)で計算される「仮倍率」

② 各高校への (出願者数)➗(募集定員)で計算される「応募倍率」
③ 入試後に(受験者数)➗(合格者数)で計算される「実質倍率」

ポイント

受験の倍率情報として一番最初に発表されるのが、進路希望調査結果による「仮倍率」です。
この仮倍率を見て「倍率が高いから…」と、志望校を諦める時期ではありません。合格に向けてしっかりと勉強していくことで、まだまだ学力は伸ばせます。

これから先に待つ、志望校の本決定・出願に向けて、倍率情報を理解してスムーズな受験準備となるよう活用しましょう。

まずは、この3段階で出る倍率は、例年どのような推移をしているのかを見ていきましょう。

受験にまつわる3つの倍率「仮倍率」「応募倍率」「実質倍率」過去3年分の経年変化

今回は、倍率上昇幅の大きい4校を例に挙げます。


横浜翠嵐高校の倍率推移 2019年 〜2022年11月時点

※神奈川県教育委員会の各種調査結果発表情報を元に作成

2022年度入試受験生の進路希望調査において、昨年度の同調査結果と比較して「仮倍率」が最も上昇したのが横浜翠嵐高校です。その差は0.73ポイントと、とても大きなものです。

では、過去3年の数値を比較してみましょう。

(参考情報として今年度の進路希望仮倍率も掲載しております。)

2019年度入試では、進路希望仮倍率は2.21倍、応募倍率は2.04倍でした。

2020年度入試では、進路希望仮倍率は2.31倍と前年より上昇するも、応募倍率は1.89倍と前年よりも低下しています。

2021年度入試では、進路希望仮倍率は2.23倍と前年より0.08ポイント低下するも、応募倍率は1.94倍と0.05ポイント上昇しています。

2019・2021年度入試を比較すると、
進路希望仮倍率は0.02ポイント上昇していますが、応募倍率は0.1ポイント低下しています。
横浜翠嵐高校は毎年高倍率となる人気校ですが、このように比較すると、進路希望仮倍率の上下と応募倍率の上下には相関性がないことがわかります。


横浜緑ケ丘高校の倍率推移 2019年 〜2022年11月時点

※神奈川県教育委員会の各種調査結果発表情報を元に作成

横浜翠嵐高校に次いで高い人気を誇る、横浜緑ケ丘高校。
今回発表された進路希望仮倍率では、県内公立高校で3番目となる0.42ポイント上昇となりました。

では、過去3年の数値を比較してみましょう。

(参考情報として今年度の進路希望仮倍率も掲載しております。)

2019年度入試では、進路希望仮倍率は2.33倍、応募倍率は1.75倍でした。

2020年度入試では、進路希望仮倍率は2.28倍と前年から0.05ポイント低下、応募倍率も1.42倍と前年から0.33ポイント低下しました。

2021年度入試では、進路希望仮倍率は2.35倍と0.07ポイントのわずかな上昇でしたが、応募倍率は1.70倍と0.31ポイントの大幅な上昇となりました。

2019・2021年度入試を比較すると、
進路希望仮倍率は0.02ポイント上昇していますが、応募倍率は0.05ポイント低下しています。
比較すると相関性がありそうですが、2020年度入試の上昇は明らかに変動幅が大きく、相関性があるとは言い切れません。


多摩高校の倍率推移 2019年 〜2022年11月時点

※神奈川県教育委員会の各種調査結果発表情報を元に作成

多摩高校は、今回の進路希望調査で0.42ポイント上昇し、県内5番目の希望者数増となりました。

では、過去3年の数値を比較してみましょう。

(参考情報として今年度の進路希望仮倍率も掲載しております。)

2019年度入試では、進路希望仮倍率は2.17倍、応募倍率は1.64倍でした。

2020年度入試では、進路希望仮倍率は1.98倍と前年から0.19ポイント低下、応募倍率は1.49倍と前年よりも0.12ポイント低下しました。

2021年度入試では、進路希望仮倍率は2.11倍と0.13ポイント上昇し、応募倍率も1.64倍と0.18ポイント上昇しました。

進路希望仮倍率と応募倍率の変動が同じで、ここ3年間は相関関係があったといえる状況です


ポイント

ここまで、進路希望者の多い高校を紹介しました。
各高校の倍率推移は、高校ごとにまちまちで、年度によって傾向も異なります。

多摩高校は過去3年間に相関性があるようですが、2022年度入試でも同様の動きをするかどうかは、読み取ることはできません。
なぜなら、受験生の思惑は各個人のものであり、多摩高校の受験生だけに特別共通する何かがあるとは言えないからです。

次に、今年度の進路希望仮倍率の上昇が著しい高校で比較してみます。


新城高校の倍率推移 2019年 〜2022年11月時点

※神奈川県教育委員会の各種調査結果発表情報を元に作成

新城高校の進路希望仮倍率は2.46倍と、県内4番目の高さとなりました。

2019年度入試では、進路希望仮倍率は1.84倍、応募倍率は1.41倍でした。

2020年度入試では、進路希望仮倍率は2.25倍と前年から0.41ポイントの急上昇となり、応募倍率は1.65倍と前年よりも0.24ポイント上昇しました。

2021年度入試では、進路希望仮倍率は2.23倍と0.02のわずかに低下しましたが、応募倍率は1.44倍と0.21ポイントの大きな低下となりました。

2019・2021年度入試を比較すると、
応募倍率の差は0.03ポイントと非常に近いのですが、進路希望仮倍率の差は0.36ポイントと大きな差があります。これらに相関性は見られません。


ポイント

今回例に挙げたのは、神奈川県内で人気の高い「旧学区のトップ校」と言われる難関高校ですが、それ以外の高校では、もっと複雑な要素が絡んできます。

それは、他校からの志願変更です。

例えば、進路希望仮倍率で高倍率のA高校があると、それを見越して周りのB高校に志望校を変更することがよくあります。それが、一つの高校に固まってしまうと、応募倍率が「進路希望仮倍率からかけ離れた高さ」となることがあります。

そこで、今度は応募倍率が高かったB高校から志願変更制度を活用して、比較的倍率の落ち着いたC高校に変更していきます。このように、塊となった人の流れが生じると、気が付くとC高校が高倍率になっているという状況も生まれてしまうのです。

では、進路希望仮倍率は全く役に立たない数字かというと、そうも言いきれません。

進路希望仮倍率が高さに順じて、応募倍率も高くなることや、進路希望仮倍率が1倍を切るような場合には、応募倍率も低倍率となるケースも多く見られます。

これらの倍率に見られる数字の活用法としてお勧めするのは、数字だけを見て一喜一憂せず、「未来の想定」をして「対応の準備」の材料とすることです。

「進路希望仮倍率が高い、もしくは上がったから、応募倍率も上がるかもしれない。でも、応募倍率が上がらない可能性もある。応募倍率が上がらなかった場合は本来の希望であるA案で、上がった場合は志願変更をするB案で対応できるようにしよう」
といったものです。

こうした準備は、受験の最終局面で効いてきます。

さらに、未来を想定しながら、本来の志望であるA案の決断時期を決めます。

「この時期までに、この程度模試の偏差値が取れるようになったら、志望を貫く。決めた偏差値に届かなければ、別の高校に変更する。」といったことを事前に決めておきます。

最終決断時期は、最後の公開模試結果等をもとに、1月上旬頃の判断となることが多いです。1月に、どのように決断するかを決めておくことも非常に重要です。

神奈川県 公立高校入試/志願変更の仕組みと手続き 受験直前期に備えておきたい準備とは?

神奈川県公立高校入試の「志願変更」とは、入試直前期に志願先を1回だけ変更できる制度です。

前述にもあるように、県教委から毎年2月初めに発表される「応募倍率」の影響を受けて、志願変更を検討するケースが多く見られます。

この制度は、志願変更する方にとってはメリットのあるものですが、メリットとなるような判断・行動をしなければ、デメリットにもなり兼ねません。

そこで、まずは「志願変更」手続きについて、詳しく見ていきます。

「志願変更」に必要な手続きとは?

県教委が公表する「志願のてびき」では、「志願変更」について次のように示しています。

志願変更の条件

< 志願変更の範囲 >

ア: 志願変更期間中1回に限り、志願変更できます。
イ: 県内の公立高校なら、どの高校へも志願変更できます。
ウ: 全・定・通の異なる課程の間でも志願変更できます。(同じ高校の異なる課程にもできます。) 
エ: 異なる学科等へも志願変更できます。(同じ高校の異なる学科等にもできます。)
オ: 共通選抜と特別募集の間でも志願変更できます。ただし、それぞれの募集についての志願資格を有する人に限ります。 
カ: 第2希望の志願ができる高校に志願する際、第2希望の志願をしていなくても、志願変更時に、第2希望の志願ができます。

<志願変更の期間>

令和4年2月4日(金)から2月8日(火)まで
※土日を除く

午前9時〜正午、及び 午後1時〜午後4時
※但し、2月8日(火)は午前9時〜正午のみ

※神奈川県教育委員会 公表資料より

志願変更手続きの流れ

2月初めの「志願倍率」の発表を受けて志願変更をする場合は、次の4つのステップで手続きを進めていきます。

1. 志願変更願に必要事項を明記し、出身中学校長の確認印を受けます。(各中学校に第13号様式の用紙があります。)

2. 志願先(変更前)の高校に行き、志願変更願と受検票を提出します。その場で入学願書等必要な書類の返還を受けます。(当日、印鑑が必要です。)

3. 返還された入学願書と受検票に書いてある志願先高校名を斜線で消し、志願変更先欄に記入した後、高校の確認を受け、志願変更願(写し)を受け取ります。

4. 入学願書、受検票、志願変更願(写し)および、新たに作成した面接シート等を志願変更先の高校へ提出します。

志願変更手続きは受験勉強の真っ只中にやってくる!

特に気にしておきたいのが、この志願変更手続きを行う時期です。

出身中学校➡️最初の志願先の高校➡️「面接シート」を新たに作成➡️志願変更先の高校
という“時間”と“労力”が伴う手続きを、入試直前の勉強に集中したい時期のうち3日間で行わなければならないのです。

志願変更のメリットとデメリット

よくあるケースとしては、受験校の出願倍率が高い場合などに「志願変更」を検討します。

しかし、受験では「この学校へ行きたい!」といった本人の強い想いも大切であるため、倍率といった数字だけを見て、一概に「志願変更」を検討・判断することはおすすめできません。

例えば、次のようなケースがあります。

A高校を志望していたお子様が「合格水準に少し不安があるから」と、進路希望調査でA高校に比べて少し倍率が低いB高校へ出願したとします。

しかし、受験直前に発表される応募倍率を見ると、A高校が約50名の定員割れをしています。

そこで出願先のB高校からA高校へ戻す志願変更を行い、受験しました。

入試後、蓋を開けて見ると・・・

入試実質倍率では、志願変更先のA高校が100人受験となっていました。つまり、A高校は志願変更により “50名 定員割れの入試” から、“50名 落ちる入試”に変わっていたのです。

上記ように、募集定員に約50名足りない状態をメリットだと捉えた志願変更はずが、結果として、その高校に新たに約100名が志願変更し、デメリットにつながってしまうケースもあり得ます。

例年で倍率が低い・高い高校など傾向がわかりやすいケースもありますが、必ずしも想定どおりに倍率が推移することはないことを理解した上で検討する必要があります。

また、専門学科など募集定員の少ない学校の場合、志願変更による少しの人数変動でも、倍率に大きく影響する可能性があることを知っておくと良いでしょう。

メリットある志願変更に必要な準備とは?

前述にもある通り、「志願変更」手続きは入試直前の一番勉強に集中したいタイミングに、あらゆる判断・手続き準備に時間を使うこととなります。

そのため、「どんなときに志願変更をするのか」という判断軸を予め設けておくと良いでしょう。

例えば・・・
「倍率が1.4だったらする、1.3だったらしない」
など冷静な状態で判断軸を決めておくことで、ただでさえ不安を感じやすい入試直前期に、焦ることなく腹を括って受験に臨めます。

また、志願変更を検討する際は、1人で決めるのではなく、自分の学力を知っている受験指導経験が豊富な学校や塾の先生に相談すると、より多くの情報をもとに検討できるでしょう。


最後に、志願変更において最も大切なのは、
志願変更した先の高校が「第1志望校」だということです。

この気持ちの切り替えをしっかりと行い、後悔のない志願変更・受験となるよう、正しい情報と的確なアドバイスをもとに判断していきましょう。

湘南ゼミナールでは、志望校決定に至るプロセスを重視し、豊富な面談機会を設けています。
また、志願変更においても、生徒さんのこれまでの学力推移、直前の模試結果など、長期・短期両方の視点で総合的に分析した上でアドバイスすることが可能です。

受験をご検討中の方は、お近くの湘南ゼミナール各教室で実施する「無料体験授業」へぜひご参加ください。ご体験前に、教室見学や学習状況など各種ご相談も可能です。

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