湘ゼミコラム

公立中高一貫校受検

神奈川版:公立中高一貫校5校の受検情報・入試日程まとめ/2023年(令和5年度)以降に受検をご検討の方必見!

神奈川県内でも特に人気が集まる「公立中高一貫校」受検。
※公立中高一貫校では適性検査を実施するため「受検」といいます。

ここ数年でも各校の実質倍率4~7倍と非常に狭き門……にも関わらず、多くの方が選択肢の一つとして公立中高一貫校受検をご検討される状況が続いています。

そんな人気が集まる神奈川県内の公立中高一貫校5校について、各校の受検情報と選抜日程等を一覧にまとめて、詳しくご紹介します。

※各校では、令和5年度入学者募集に向けて、学校説明会や体験授業が6月頃より順次開始されます。まずは本記事にて各校の情報をぜひご覧ください。

市立横浜南附属中

中学校と高校が併設(高校受験も有り)

[ 基本データ ] 学校名:横浜市立横浜南高等学校附属中学校 2009年(平成21年)開校/3学期制

教育内容抜粋:「学びへの飽くなき探究心を持つ人材」「自ら考え、自ら行動する力」「未来を切り拓く力」を育成する
所在地:横浜市港南区東永谷二丁目1-1
アクセス:京浜急行・市営地下鉄ブルーライン「上大岡駅」よりバスで10分、市営地下鉄ブルーライン「上永谷駅」より徒歩15分
学校規模:生徒479名(1学年 約160名、4学級)※2021年 時点
授業時間:50分6時限(1年次は7時限目に総合的学習を実施)※月1・2回土曜講座や補修あり 
※食堂あり
学校HP

受検情報

【志願資格】横浜市内に住所を有する者(志願者及び保護者の住所)
                      ※ただし定員の30%(48名)は市外枠有
【募集定員】160名(男女 各80名)
【受検内容】
① 調査書(A値)
お通いの小学校成績(小5/4月~翌年3月分、小6/4月~12月分)をもとに作成され受検校に提出される。
② 適性検査(B値)
適性検査Ⅰ(文系)
文章・図・表やデータなど与えられた資料を的確に読み解き、課題をとらえて適切に表現する力をみる。※作文もあり。
適性検査Ⅱ(理系)
自然科学的な問題や数理的な問題を分析し考察する力や、解決に向けて思考・判断し的確に表現する力をみる。

【選考方法】調査書180点満点、適性検査Ⅰ・Ⅱともに各200点ずつ(計400点満点)
選考比率は、調査書(1):適性検査(3)とされ、適性検査の結果が重視されている

選考方法詳細
調査書(A値)、適性検査(B値)、およびA・B値をもとに算出するS値の上位から合格者を決定

※横浜市教育委員会「令和4年度 横浜市立南高等学校附属中学校受検案内」より

令和5年度 受検日/市立横浜南附属中

出願期間:令和5年1月5日(木)〜令和5年1月10日(火)まで
※出願書類の提出期間は、令和5年1月5日(木)から同月10日(火)までの消印があるものを受け付ける。
検査日程:令和5年2月3日(金)
合格発表日程:令和5年2月10日(金)

市立横浜サイエンスフロンティア附属中

中学校と高校が併設(高校受験も有り)

[ 基本データ ] 学校名:横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校附属中学校 2017年(平成29年)開校/3学期制

教育内容抜粋:論理的な思考力と鋭敏な感性を育み、先端的な科学の知識・智恵・技術、技能を活用して、世界で幅広く活躍する人間を育成する。
所在地:横浜市鶴見区小野町6
アクセス:JR鶴見線「鶴見小野駅」より徒歩3分
学校規模:生徒238名(1学年80名、6学級)※2021年3月時点
授業時間:50分7校時  ※数学・理科・英語を標準時数より多く学ぶ
※食堂あり

学校HP

受検情報

【志願資格】横浜市内に住所を有する者(志願者及び保護者の住所)
【募集定員】80名(男女 各40名)
【受検内容】
①調査書(A値)
お通いの小学校成績(小5/4月~翌年3月分、小6/4月~12月分)をもとに作成され受検校に提出される。
②適性検査(B値)

適性検査Ⅰ(文系)
文章・図・表やデータなど与えられた資料を的確に読み解き、課題をとらえて適切に表現する力をみる。※作文もあり。
適性検査Ⅱ(理系)
自然科学的な問題や数理的な問題を分析し考察する力や、解決に向けて思考・判断し的確に表現する力をみる。

【選考方法】調査書(180点満点)、適性検査Ⅰ・Ⅱ各100点(合計200点満点)
●選考比率は、調査書(1):適性検査(3)とされ、適性検査の結果が重視されている

選考方法詳細
調査書(A値)、適性検査(B値)、およびA・B値をもとに算出するS値の上位から合格者を決定

※横浜市教育委員会「令和4年度 横浜市立横浜サイエンスフロンティア附属中学校受検案内」より

令和5年度 受検日/市立横浜サイエンスフロンティア附属中

出願期間:令和5年1月5日(木)〜令和5年1月10日(火)まで
※出願書類の提出期間は、令和5年1月5日(木)から同月10日(火)までの消印があるものを受け付ける。
検査日程:令和5年2月3日(金)
合格発表日程:令和5年2月10日(金)

市立川崎附属中

2021年度より高入生の募集を停止し、6年間の一貫教育を強化

(※一部の専門学科のみ高入生を受け入れています)

[ 基本データ ] 学校名:川崎市立川崎高等学校附属中学校 2014年(平成26年)開校/2学期制

教育内容抜粋:教育の”三つの柱”として「体験・探究の重視英語」「国際理解教育の推進」「ICTの活用」を重視
所在地:川崎市川崎区中島3-3-1
アクセス:JR「川崎駅」中央東口・北東口より徒歩約20分または川崎市バスで約10分、京浜急行大師線「港町駅」より徒歩約12分
学校規模:生徒357名(1学年120名、3学級)
授業時間:45分7校時 ※給食あり
学校HP

受検情報

【志願資格】川崎市内に住所を有する者(志願者及び保護者の住所)
【募集定員】120名(男女定員なし)
【受検内容】
①適性検査(A値)

適性検査Ⅰ(文系)
文章や図・表・データの内容を的確にとらえ情報を読み解き、分析し表現する力 をみます。また、作文も含みます。
適性検査Ⅱ(理系)
自然科学的な問題や数理的な問題を分析し考察する力や、解決に向けて思考・判断し、的確に表現する力をみます。

※令和4年度入試より面接は実施されていません。

②面接(B値)
集団面接/志願者との直接的な対話を通して、質問に対する答えの内容、受け答えの仕方や態度等から、6年間学ぼうとする意欲や目的意識、コミュニケーション能力等を総合的にみます。

③調査書(C値)
小学6年生の前期終了時(3学期制の場合は2学期)の全教科の成績をもとに作成され受検校に提出される。

【選考方法】適性検査Ⅰ・Ⅱ(9):調査書(1)の割合で得点化する。
選考比率から、適性検査の結果が重視されている。

選考方法詳細
①適性検査(A値)、②調査書(B値)を9:1の割合で得点化した合計値(C値)とし、C値の上位から合格者を決定

※川崎市教育委員会「令和4年度 川崎市立川崎高等学校附属中学校 受検案内」資料より

令和5年度 受検日/市立川崎附属中

出願期間:令和5年1月4日(水)〜令和5年1月6日(金)まで
※出願書類の提出期間は、令和5年1月5日(木)から同月10日(火)までの消印があるものを受け付ける。
検査日程:令和5年2月3日(金)
合格発表日程:令和5年2月10日(金)

県立相模原中等

中学入学時のメンバーで6年間の一貫教育を行う

[ 基本データ ] 学校名:神奈川県立相模原中等教育学校 2009年(平成21年)開校/2学期制

教育内容抜粋:「表現コミュニケーション力」「科学・論理的思考力」「社会生活実践力」の3つの力の育成・伸長
所在地:
相模原市南区相模大野4丁目1番1号
最寄り駅:
小田急小田原線、江ノ島線「相模大野駅」北口から平塚駅北口から徒歩10分。
学校規模:
生徒960名(1学年160名、4学級)
授業時間:
45分授業、7校時(高校生からを指す後期は50分授業)/給食なし
学校HP

受検情報

【志願資格】神奈川県内に住所を有する者(志願者及び保護者の住所)
【募集定員】160名(令和4年度入試より男女別定員が無くなり、全体で160名の募集となりました)
【受検内容】
①調査書
小学6年生の12月末までの全教科成績をもとに作成され受検校に提出される。
②適性検査Ⅰ・Ⅱ/教科横断型の出題
※県教委は、「これからの社会で必要とされる幅広い教養を育成していく上での基礎的な力を測ることから、出題範囲の限定は行いません。」としている。
(例年、受検後に神奈川県教育委員会のHP「出題のねらい」を公表)
③グループ活動

よりよい人間関係を築くための基礎的な力及び自己を表現するための基礎的な力、中等教育学校で学ぼうとする意欲や目的意識を測る。
※2022年度(令和4年度)受検では、コロナウイルスの影響でグループ活動は中止されました。

【選考方法】選考比率は、調査書(1):適性検査(6):グループ活動(2)となっており、適性検査とグループ活動の結果が重視されている

2021年度の公立中高一貫校受検で、実質倍率増が顕著となった横浜市立の2校。
公立中高一貫校ならではの教育方針やカリキュラム、開校当初から一貫した指導内容を実施することで保護者様同士での良好な口コミが年々広がっていることに加え、高い大学進学実績への期待から、ますます注目が高まっています。

令和5年度 受検日/県立相模原中等

出願期間:令和4年12月26日(月)〜令和5年1月6日(金)まで
※出願書類の提出期間は、令和5年1月10日(火)から同月12日(木)まで(当該期間内の消印があるものを受け付ける)とする。
検査日程:令和5年2月3日(金)
合格発表日程:令和5年2月10日(金)

県立平塚中等

中学入学時のメンバーで6年間の一貫教育を行う

[ 基本データ ] 学校名:神奈川県立平塚中等教育学校 2009年(平成21年)開校/2学期制

教育内容抜粋:「表現コミュニケーション力」「科学・論理的思考力」「社会生活実践力」の3つの力の育成・伸長
所在地:平塚市大原1番13号
最寄り駅:JR平塚駅北口からバス、共済病院前総合公園西下車、徒歩10分。小田急線伊勢原駅南口からバス、中原下宿下車、徒歩7分。
学校規模:生徒960名(1学年160名、4学級)
授業時間:45分授業、7校時(高校生からを指す後期は50分授業)/給食なし
学校HP

受検情報

【志願資格】神奈川県内に住所を有する者(志願者及び保護者の住所)
【募集定員】160名(令和4年度入試より男女別定員が無くなり、全体で160名の募集となりました)
【受検内容】
①調査書
小学6年生の12月末までの全教科成績をもとに作成され受検校に提出される。
②適性検査Ⅰ・Ⅱ/教科横断型の出題
※県教委は、「これからの社会で必要とされる幅広い教養を育成していく上での基礎的な力を測ることから、出題範囲の限定は行いません。」としており、過去問対策が重要となる。
③グループ活動
よりよい人間関係を築くための基礎的な力及び自己を表現するための基礎的な力、中等教育学校で学ぼうとする意欲や目的意識を測る。
※2022年度(令和4年度)受検では、コロナウイルスの影響でグループ活動は中止されました。

【選考方法】選考比率は、調査書(1):適性検査(6):グループ活動(2)となっており、適性検査とグループ活動の結果が重視されている

令和5年度 受検日/県立平塚中等

出願期間:令和4年12月26日(月)〜令和5年1月6日(金)まで
※出願書類の提出期間は、令和5年1月10日(火)から同月12日(木)まで(当該期間内の消印があるものを受け付ける)とする。
検査日程:令和5年2月3日(金)
合格発表日程:令和5年2月10日(金)

附属中と中等教育学校の違いとは?

学校選びは”何を重視し、どんなことが学べるのか”が重要

公立中高一貫校を選ぶメリットには大きく3つ

1.公立並みの教育費で、高いレベルの教育が受けられる

2.6年間の一貫教育による特別カリキュラムで、高い大学進学実績につながっている

3.キャリア教育の水準の高さ

※教育費については、前半3年間は義務教育のため一般の公立中学校同様に入学金や授業料が掛からず、高校に該当する後半の3年間も授業料無償化が実施されていることから掛からないケースが多いとされます。中学生から海外へのホームステイなどをカリキュラムに組み込む学校もあり、別途料金が掛かってくる場合があります。

附属中学校3校と中等教育学校2校の違いは?

附属中学校では、高校進級時に高校受験で入学してくる学生と共に学びます。
高校受験を経験して入学する学生が増えることで、学校の雰囲気も変わり刺激し合える環境があります。また学習面においては、先取り学習よりも”深堀り”した学習を進めることで、好きな分野を見つけて探究活動に取り組む学生が多くいます。

中等教育学校では、毎年160名の学生が中学受検で入学し、6年間同じメンバーで学びます。
学校の雰囲気としては、先輩が後輩を面倒見良く見るという文化がありアットホームな校風が見られます。学習面では先取り学習により高校最後の1年間は大学受験に向けての対策に専念できるように取り組んでいます。
※川崎附属中のみ2021年度から高校募集を停止した為、中等教育学校と同じような形となります。

附属中・中等教育学校ともに、6年間を通した特別カリキュラムにより中学生の時点から高校生の学習内容を一部取り入れて効率よく学ぶなど、工夫を凝らした質の高い教育を提供しています。

キャリア教育の水準の高さにも注目!

キャリア教育とは、職業や自己への理解を深め、職業キャリアについての見立てやプランを考える学校活動全般を指します。

将来に活きる語学力・プレゼンテーション能力などはもちろんのこと、大学や企業と連携した取り組みや、科学者・ノーベル賞受賞者による講演など各学校で特色ある取り組みが実施されています。

学校説明会などでは、在校生による英語のプレゼンテーションを披露する学校もあります。

積極的に学校説明会に参加し、キャリア教育にどの程度力を入れ、成果を上げているのか、さらには在校生たちの活動にも目を向けることで、よりお子様に合う学校が見つけられるのではないでしょうか。

難しい受検に挑戦する上で、気を付けたいこと。

学校選びにおいては「家からの距離」「難易度」「選考方法」などあらゆる情報も参考になりますが、その学校が「何を重視し、どのようなことを学べるのか」を見ることが最も重要です。

それぞれの学校の個性や目指すものを知り、お子様自らが”この学校に行きたい!”という強い想いで臨むことが受検勉強においても強い力となります。