湘ゼミコラム

公立中高一貫校受検

横浜サイエンスフロンティア附属中の最新動向!公立中高一貫校 受検対策と経験者の声

神奈川県内の公立中高一貫校5校のなかでも、特に高倍率となっている横浜サイエンスフロンティア附属中。

本記事では、同校の受検対策責任者による2023年度入試結果を受けた、最新の受検動向をはじめ、これから先に受検を検討される方に知っていただきたい、適性検査の問題や対策方法、合否判定における重要な要素をお届けします。

さらには、小学生での受検に挑戦した3名の生徒さんによるオンラインイベントの発表もご紹介します。

是非ご覧ください。

倍率は安定するも、合格の難易度は上昇?!
受検の最新動向

2017年に開校した横浜市立 横浜サイエンスフロンティア附属中。
(以下、横浜サイエンスフロンティア)

過去6年間の入試倍率は、初年度 男子が約11倍、女子が約6倍からスタートし、
ここ数年で男子が約7倍、女子が約5.5倍程度で安定しています。

サイフロ附属中対策責任者 荒川先生:

開校当初は、「どういう出題がされるのか」「どういった力が求められるか」という参考情報が多くはありませんでした。

しかし、6年間の受検データが蓄積されたことにより、横浜サイエンスフロンティアが「どのような生徒を求めているのか」ということが、かなりはっきりとしてきました。

つまり、対策の質という意味では、ここ数年で上がり続けていると考えます。参考データが揃い、“ 質の高い対策を受けてきたお子様ばかりが受検する ” という意味では、合格の難易度は上昇しているとみています。

横浜サイエンスフロンティアの選考方法は次のとおりです。

調査書(A値):180点 満点 (小5の3月時点の成績 90点/小6の12月時点の成績 90点)

適性検査(B値):200点 満点

<調査書の評価方法>

①各教科の評定を以下のように点数化

3(A)・・・10点

2(B)・・・5点

1(C)・・・1点

②2学年分の合計点が調査書における得点となる(9教科x2学年=180点満点)

調査書の得点=「A値」

サイフロ附属中対策責任者 荒川先生:

この「調査書」は、学校の先生が個人情報と各教科の学習の記録を記入します。調査書にはそれら以外には記載項目はないため、「児童会長をしている」「特別活動で優秀な活動をした」などは、点数にはならないのです。

続いて、「適性検査」についてです。

適性検査Ⅰ:文系の問題

文章・図・表やデータなど与えられた資料を的確に読み解き、課題をとらえて適切に表現する力をみる。

適性検査Ⅱ:理系の問題

与えられた情報を科学的・数理的にとらえ、分析力や思考力、判断力などを生かして、課題を解決する力をみる。

適性検査Ⅰ(100点)+適性検査Ⅱ(100点)=(合計200点満点)

適性検査の得点=「B値」

サイフロ附属中対策責任者 荒川先生:

「調査書」のA値、

「適性検査」のB値、

それぞれ、次の表の計算式で算出されるS値で合格者が決定します。

第一次選考では、合計400点満点のS値を使って合格者を決めています。

・「調査書」A値 ▶︎ 100点満点に縮めています。

・「適性検査」B値▶︎200点満点を300点満点に広げています。

残り4名の枠となる第二次選考では、「調査書」A値は除外され、「適性検査」B値の上位者で合格者が決まります。

つまり第二次選考は、学校成績に関係なく合格する制度となります。

とはいえ、第二次選考の合格枠は定員80名のうち8名(全体の10%)に限られるため、やはり学校成績というのは非常に重要です。

それでは、学校成績と適性検査の結果がどのように影響するか具体的にみていきましょう。

次の表にある、Aさん、Bさん、どちらのS値が高いでしょうか。

学校成績の比較では、Bさんの方が15ポイントも高い

適性検査では、Aさんが6ポイント高い

これを合否判定の計算式に当てはめたS値では、

Aさんが0.7ポイント高い結果となります。

この結果から、学校成績は重要ではあるものの、適性検査の得点がより重要であることがわかります。

一方でCさんをみていきましょう。

学校成績では、Aさんに比べ6ポイント高い。

適性検査では、Aさんと同点。

このように、同じくらいの適性検査の得点だった際にものをいうのが、

学校成績である、と言うのがCさんの例でわかります。

ポイント▶︎合否判定のまとめ

・適性検査の得点力が最も重要
・適性検査が同じ得点の場合は、日頃の頑張り(学校成績)が大きく影響する

“ the 中学受験 ”とは異なる、
公立中高一貫受検の専門対策とは?

例年で高い人気を誇る、公立中高一貫校受検。

その受検内容は、高校入試・大学入試にも繋がる学習内容であることから、先の未来にも生きる勉強として、受検に挑戦するお子様も多いのではないでしょうか。

大学入試、高校入試それぞれで求められる力は次のようになっています。

■令和3年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト問題作成方針より

平成21年 高等学校学習指導要領において育成することを目指す資質・能力を踏まえ、知識の理解の質を問う問題や、思考力、判断力、表現力を発揮して解くことが求められる問題を重視する。

■神奈川県内の公立トップ校の3つで実施される特色検査で測る力

横浜翠嵐/川和/希望ケ丘 高校

・論理的思考力、判断力、表現力

・情報活用能力

・創造力及び想像力

・科学的思考力、判断力、表現力

横浜サイエンスフロンティアの受検で求められる力は、大学入試・高校入試と同じく、思考力、判断力、表現力が求められます。

それでは実際に、どのような出題がされているかをみていきます。

サイフロ附属中対策責任者 荒川先生:

横浜サイエンスフロンティアの適性検査Ⅰ:社会の資料問題では、

地図画像 ア・イ・ウ・エの中から、右側のグラフを表しているものを選ぶ問題がありました。

※横浜サイエンスフロンティア  適性検査Iの出題より

この地図画像は、九州の一部、島根・鳥取の一部が異なるだけです。

つまり、この問題で問われているのは「全ての都道府県を正確に覚えていますか?」ということです。こちらは、学校でもしっかりと学習している問題です。

一方で、学校では学ばないような思考力が求められる出題もありました。

横浜ベイブリッジを映している写真をみて、A〜Fどこから撮ったものかを選ぶ問題です。

※横浜サイエンスフロンティア  適性検査Iの出題より

適性検査Ⅰの出題でも特に注目したいのが、作文です。
作文は要約文や意見文、記述など年度によって出題が異なります。

例えば、2021年度の作文記述では、書く前に約5,000字(原稿用紙10枚程度)もの長文を読んで書くというものもありました。

ポイント:適性検査Ⅰの特徴

・資料と文章の極めて高い読解力
・必要な情報を取り出す判断力
・過不足なく記述する表現力
・時間内に処理するスピード(読むだけでも大変な量)

続いて、適性検査Ⅱ(理系)では、子供が知らないであろう言葉が出てくるケースも多くあります。
例えば「浸透圧」です。

浸透圧に関する知識が問われることは一切ないため、浸透圧という言葉を知らなくとも、しっかり読めば解ける問題が出てきます。

さらには、平面図形、空間図形、問題文をもとに、知識や技能と結びつける問題が出ているといます。

公立中高一貫校の適性検査では、前述のような問題を、お子様は一人で解いていかなければなりません。
これまで見たこともないようなテーマでも、自分で正しく道筋を描いて、正しく作業をくり返して答えに辿りつく粘り強さが求められます。

公立中高一貫校の受検対策では、
手取り足取りで指導し、正解へと導くような指導は一見優しそうに見えるものの、お子様の力を最大限に伸ばすという上では不親切な指導にもなり兼ねません。

湘南ゼミナールの公立中高一貫コースでは、自立や成長を念頭において、質問対応もしつつ、授業を展開しています。

ポイント▶︎公立中高一貫校において重要な対策

・小学校内容の細部まで徹底理解すること
・思考力、判断力、表現力において、色々な形で問われた時に、自分の力で引き出せるところまで身につけること

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湘南ゼミナール公立中高一貫コースは、横浜サイエンスフロンティア附属中の合格実績 各塾中 6年連続No.1!

無料体験授業へのご参加や詳細資料をご希望の方は、以下のWEBフォームよりお申込みください。

横浜サイエンスフロンティア附属中
合格者が振り返る、小学生の受検。

2023年度の春、湘南ゼミナール 公立中高一貫コースでは、横浜サイエンスフロンティア附属中 合格者の3名の生徒さんにお越しいただき、オンライン配信イベントを開催しました。

小学生で、はじめての受検。
受検対策の経験談をたっぷりと語っていただいた模様をお届けします。
※イベント登壇にて発表された内容を一部抜粋してお届けしております。

登壇いただいた生徒さん

公立中高一貫コース2023年度 説明会より、画像左から:北山さん、田崎さん、宇治さん
※オンライン配信映像を転載しておりますため、画像が不鮮明です。

Q. 塾に入ってみて、どう思いましたか?

北山さん(小6から通塾):
姉が同じ公立中高一貫コースで合格していたのと、先生がとても優しくてわかりやすい授業で、自分に真剣に向き合ってくれるコースだと思い入会しました。
塾に入るまでは、ゆっくり自分のペースで勉強していたので、真剣に受検する気持ちになった時には、時間が少なかったなと思いました。

田崎さん(小5から通塾):
友達が先に公立中高一貫コースに通っていて、宿題は多いけど先生のサポートが手厚いと聞いて入会しました。
塾に入って最初の2ヶ月くらいは、みんなに追いつこうと焦って、ペースを掴むのに時間がかかりました。「選抜クラスなんて無理だよ」と思っていましたが、対策を続けて行くなかで、クラス分けテストで選抜クラスに入れた時に、しっかり続けることで力がついているんだと実感しました。

宇治さん(小5から通塾):
姉が総合進学コースに通っていて、サイエンスフロンティアを目指すなら公立中高一貫コースの菊名校がいいよと勧められて入会しました。
私は、週7回の習い事があったのでとにかく忙しかったんです。塾に入ったばかりの頃は、習い事のスポーツで疲れが溜まっていたので、宿題をこなすので精一杯でした。それでも実際通ってみて、先生方がとても明るく面白いので授業が楽しかったです。

Q. 小6の夏以降の本格的な受検モード。どんな対策をしていきましたか?

北山さん(小6から通塾):
過去問は受検本番までに3周しました。
「時間がなくて勉強できない」とならないように、解く順番も考えて勉強しました。自分なりに今日勉強する量を決めて、それ以上にできた時には自信になりました。

田崎さん(小5から通塾):
過去問は受検本番までに5周しました。
受検直前の1月くらいからは徹底的に復習し、それ以前は宿題を完璧に解けるように質と量の戦いでした。できる限り宿題を解く質を高めたことで効果があったと思います。

宇治さん(小5から通塾):
過去問は受検本番までに5周しました。
サイエンスフロンティアの過去問は、受検当日と同じような時間帯に解いて、本番さながらの練習で流れを掴むことと、緊張しないようにすることを意識して取り組んでいました。

Q. 受験勉強を通して楽しかったことは何ですか?

北山さん(小6から通塾):
苦手だった教科が得意教科に変わったこと、自分だけが解けた問題があったときは、とても嬉しかったです。文系の資料問題が苦手でしたが、解き方やコツを習ってできるようになりました。
理系の授業で先生が「時間は関係なく、気分転換で解いてみよう」と出してくれたサイコロの問題はとても楽しかったです。

田崎さん(小5から通塾):
横浜サイエンスフロンティアはあまり私立中受験の子達には知られていないので、学校では話が通じる人がいないなと思っていたけど、塾では共通の話題がもてるようになりました。
「あの問題、難しかったよね!」とか友達と盛り上がれたのが楽しかったです。
理系の授業で「浸透圧」の問題が出て、すごく難しそうに見える問題でも、分かるようになるんだと思えて、すごく楽しかったです。

宇治さん(小5から通塾):
解けなかった問題が、塾で習った後に解けるようになった瞬間が、成長を感じて嬉しかったです。横浜サイエンスフロンティアの過去問で、ロケット・飛行機の問題が出てきて、「へーそうなんだ!」という新たな知識が身についていき、世界が広がっていくのがとても楽しかったです。

オンラインイベントの最後には、横浜サイエンスフロンティア附属中を目指す同世代のお子様に向けて、3人の生徒さんから力強いメッセージが届けられました。

「日々努力を続けると、絶対その勉強の量は自分の力になっている」

「早く始めた人を追い越すようなくらい頑張らないといけないし、逆に早くから始めた人は遅くからの人に追い越されないように。全員が頑張らないといけないような学校なので、頑張って欲しい。」

「毎日全力で頑張ってください。そうすればどんな結果になっても納得がいくと思う。受験に合格するだけが受験ではないと思うので。」

「成長したことに喜べる」
「勉強を楽しむ」
そうした姿勢で取り組めることが、合格の秘訣と言えるかもしれません。

湘南ゼミナールでは、公立中高一貫校受検指導の専任講師が、問題や傾向の分析から指導まで一貫して行っております。
自立を促す学習方法で、受検以降の勉強にも生きる指導をしております。

校舎では見学やご相談も無料にて承っております。
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