埼玉県の公立高校を受験する方に向けて、入試の仕組みや学力検査の内容を分かりやすくお届けします。
埼玉県ならではの入試問題の特徴や、高得点獲得のために注意したい学習のポイントなど、受験前にぜひご覧ください。
埼玉県 公立高校/入試 実質倍率・最新の動向
埼玉県の公立高校(市立高校含む)は令和5年度 入試時点で137校、通学区域(学区)は設けておらず、原則保護者と共に県内在住の方であれば、どの高校でも出願することができます。
■ 2023年度(令和5年度)入試 募集人員
中学校卒業予定者 62,732名に対し、
公立高校募集人員 36,400名の募集
※前年度からの統合や募集人員減が15校、統合による変更が2校、計720名の募集減となります。
埼玉県の公立高校入試は2月下旬、私立高校入試は1月中旬頃より行われるため、公立入試までは約40日以上空いてしまうこととなります。
そのため、公立入試までの期間に、緊張感を保った過ごし方ができるかが重要です。

埼玉県 公立高校の受験者 平均倍率は、ここ数年で低下傾向にあります。
埼玉県 公立高校入試 平均実質倍率(全日制/普通科)
2019年 (令和元年) 1.19倍
2020年 (令和2年) 1.15倍
2021年 (令和3年) 1.15倍
2022年 (令和4年) 1.16倍 ※最新
2022年(令和4年)は県内中学校等の卒業者数が一時的に増加したことから、10年ぶりに高校入学者数が増加。それに伴い、倍率も微増しています。
数年続く倍率低下の背景には、大学入試改革の影響を受けて私立や附属校のニーズが高まっていることがあります。一方で、公立の人気校は変わらず高倍率が続いています。
埼玉県公立高校 上位校/2022年(令和4年)実質倍率
大宮 1.44倍
前年1.47倍から0.3pt減
県立浦和 1.26倍
前年1.26倍と同様
浦和第一女子 1.42倍
前年1.35倍から0.7pt増
市立浦和 2.06倍
前年1.84倍から0.22pt増 ※2年連続増
浦和西 1.54倍
前年1.37倍から0.17pt増
春日部 1.24倍
前年1.27倍から0.03pt減
県立川越 1.41倍
前年1.35倍から0.06pt増
川越女子 1.33倍
前年1.28倍から0.05pt増
※上記は全て、全日制・普通科の実質倍率です。埼玉県が2022年3月4日付で発表した情報をもとに作成しています。
大学進学に向けた指導に力を入れ、国公立大への高い進学実績をもつ上位校の人気が特に高まっています。
2年連続の高倍率となった市立浦和高校では、同じく2022年度の国公立大学合格者が120名(現役のみ)と多く、国公立大学で課されることの多くなった5教科7科目受験型に完全対応したカリキュラムを組んでいます。
次いで人気が集まる大宮高校では、2022年度の国公立大学合格者 152名(現役のみ)と高い大学進学実績を出しています。
さらに大宮高校の理数科では、県内全校で2番目に高い倍率 2.23倍となり、「科学技術人材育成事業指定校」(令和4年度現在)など、同校ならではの取り組みで注目が高まっています。
埼玉県 公立高校/検査内容と入試日程

・試験時間は全5教科いずれも各50分
・問題は*一部の学校の英語と数学を除き、すべて共通問題
*2017年度からは学力検査 共通問題5教科のうち英語と数学のみ「学校選択問題」を採択している学校があります。
出題の基本方針には、
(1)中学校の新学習指導要領に基づく出題となり、英語にはリスニングテストを含むこと
(2)基礎的な知識および技能をみる問題とともに、知識・技能を活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力等の能力をみる問題の出題に配慮すること
(3)受検者の学力を十分に把握するために、記述による解答を求めるよう配慮すること
以上の3点を挙げています。
学力検査では、数学・英語のみ応用的な内容を含む「学校選択問題」を出題する学校があります。
「学校選択問題」の実施校全てが、同じ問題を使用します。この「学校選択問題」の難易度は一般試験の共通問題に比べて高く、採用している学校は公立高校の中でも上位校がほとんどです。
2022年度に新たに「市立大宮北高校」が加わり、2023年度(令和5年度)も計22校で「学校選択問題」が実施されます。
<学校選択問題/実施校一覧>
県立浦和/浦和第一女子/浦和西/大宮/春日部/川口北/川越/川越女子/川越南/熊谷/熊谷女子/熊谷西/越ケ谷/越谷北/所沢/所沢北/不動岡/和光国際/蕨/市立浦和/市立大宮北/川口市立(計22校)
※埼玉県 2022年5月26日発表情報より
実技教科/芸術系・体育系などの専門学科のみに限られます。また、面接は学校により実施するところがあるものの、学力検査の結果が乏しいお子様に対しての救済措置とされているケースが多く、上位校ではほとんど実施されません。
2023年度(令和5年度)埼玉県 公立高校入試日程 ※全日制の過程
入学願書、調査書、学習の記録等一覧表の提出期間
2023年2月9日(木)、10日(金)、13日(月)
志願変更期間
2023年2月15日(水)、16日(木)
学力検査
2023年2月22日(水)※5教科実技検査(芸術系学科等)、面接は2月24日(金)に実施
合格発表
2023年3月3日(金)
※追検査は3月6日(月)、追検査の合格発表は3月8日(水)に実施
※埼玉県教育委員会「令和5年度埼玉県公立高等学校入学者選抜の日程 」より
埼玉県 公立高校/選抜方法と内申の重要度
埼玉県公立高校入試の選抜方法は加算方式です。
例年2月下旬に実施される学力検査の得点と調査書、学校によっては実技検査または面接の得点に各高校で定めた点数を乗じた合計点が高い順に合否が決定します。
それぞれの選抜内容について詳しくみていきます。
※理数科は理科・数学を2倍、外国語科は英語を2倍にして傾斜をかけることが認められています。
※芸術系、スポーツ系の学科やコース、外国語コースでは実技検査を実施することがあります。また、実技検査を行わない高校では面接を行う場合もあります。詳しくは埼玉県の情報をご確認ください。
第1次選抜 募集定員の60~80%の合格者を決定
学力検査:調査書の配点比率は、
6:4~4:6の範囲にて各学校の定めによります。
※実技や面接を実施する高校の場合、実技・面接の配点比率は全体の50%以下
御三家をはじめとする難関校のほとんどは、学力検査:調査書を6:4とし、学力検査の比率を高めに設定しています。
※理数科は理科・数学を2倍、外国語科は英語を2倍にして傾斜をかけることが認められています。
第1次選抜 募集定員の20~40%の合格者を決定
※第1次選抜で合格者とならなかった人を対象に実施。
学力検査:調査書の配点比率
7:3~3:7と振り幅が拡大されます。
※実技や面接を実施する高校の場合、実技・面接の配点比率は全体の50%以下
御三家をはじめとする難関校のほとんどは、学力検査:調査書を7:3とし、学力検査の比率を高めに設定しています。
※学校によっては3次選抜を行うところもあります。
調査書は3つの項目に分けられ、学校ごとに各項目の配点が異なります。
なかでも「学習の記録」を指す、内申の得点割合が高くなっています。
<県立大宮高校の例>(枠囲み)
●学習の記録の得点※内申点/ 中11(90点):中21(90点):中31(180点)
●特別活動などの記録の得点/90点
●その他の項目の得点/90点
合計 360点満点
① 「学習の記録」の得点
中1~中3生の9科評定(内申点)を各高校の定めた学年別比率に基づいて点数化します。※多くの学校が1~2年次の評定に対して、3年次の評定を2倍や3倍に加点するなどして重視する傾向にあります。
② 「特別活動等の記録」の得点
学級活動、部活動の実績、生徒会活動、学校行事、各高校の教育方針や学校・学科の特色に応じて得点が算出されます。
③ 「その他の項目」の得点
総合的な学習の時間の記録、ボランティア活動や地域における社会活動、各種検定など学校外の活動にも得点が算出されます。
※各高校の選抜基準(配点比率)は埼玉県のホームページにて詳細をご覧ください。
ポイント:内申の重要度
埼玉県の公立高校入試では、学力検査の得点のみでの選抜は行わないため、
調査書に記載される中1~中3年生の9科目評定(内申点)が受験においてとても重要です。
各学年での内申点は、高校ごとで配点比率が異なり、
中11:中21:中32 もしくは、
中11:中21:中33 の学校が大半で、特に3年次の内申点が重視されます。
しかし、合否判定では学力検査と調査書の配点比率が学校により異なるため、
1・2年次の内申点がオール3で、3年次から頑張って内申点オール5を取ったとしても、学力検査の得点で一発逆転というのは難しいでしょう。
なかでも、県立御三家(浦和高校/浦和第一女子高校/大宮高校)を目指す場合は特に、中1・2年生から内申点をしっかり取っておく必要があります。
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「学力検査」問題から紐解く、埼玉県ならではの特徴とは?
神奈川県や東京都に比べ、埼玉県の入試問題は記述式が多いというのが大きな特徴です。
解答用紙を見ると大きな枠の解答欄があり、50分という試験時間内でいかに効率よく記述問題を解くかといった、ペース配分がとても重要となります。
ポイント:高得点獲得には、時間配分と入試問題の優先順位付けが重要
大問ごとに難易度がはっきりと分かれる傾向にあるのが、数学です。
数学で高得点を得るには、問題用紙をひと通り見て、捨てる問題・確実に取るべき問題を自分の志望校レベルに合わせて判断し、優先順位を立てて問題に取り組めるような練習が必要です。
国語では、例年で作文が出題されており、原稿用紙13行(195文字)、配点としては100点満点中/12点がつきます。
いずれも、資料から読み取ったことをもとに自分の考えや自らの体験を踏まえて、構成を工夫しながら文章を作成する思考力と、意見を完結にまとめる 表現力が求められます。
「学校選択問題」の英語では、長文の読解問題や、環境問題についての英文を読んで40~50字の英語で書くといった記述問題が出題されています。
単純な文法力だけでなく、文章を理解した上で自分の意見をしっかり考えて伝える、英語での表現力が問われる問題です。
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県内9割の中学生が受験する「北辰テスト」そのメリットとは?
埼玉県内の受験生や保護者の方々なら、一度は耳にしたことがあるであろう「北辰テスト」。
北辰テストは、入試に向けた対策としてはもちろんのこと、
合格に必要な偏差値に対して自分の位置がどこであるかを知ることができる模試です。
県内 中学生のおよそ90%が受けているという受験者数の多さから、学力を測る資料としては学校内申以上の正確さがあります。
そのため、公立高校・私立高校ともに合格の可能性を判断する材料として、受験しておくとよいでしょう。
多くの私立高校で実施される「個別相談会」では、学校の成績と「北辰テスト」等の模試結果が分かる帳票を持参すると、高校側から合格の可能性をアドバイスしてもらえるケースがあります。

ポイント:私立入試から公立入試までの約40日間は模試で緊張感を保つ学習を!
県内の公立高校入試日程は2月下旬であるのに対し、県内の私立高校をはじめ都内の難関私立高校の入試は1月下旬に実施されます。
この約40日間を緊張感を保って過ごす方法として、
受験料は掛かりますが、北辰テスト等の模試を受験することで最後まで学力を伸ばす学習を継続できるこができます。
また、模試の判定により他の高校への選択肢が得られる可能性も視野に入れ、第一志望の公立高校入試までの期間、緊張感をもって学習に取り組むことは大きなメリットとなるでしょう。
湘南ゼミナール小中部 埼玉では、私立高校入試が実施される1月から公立高校入試までの期間で入試模試2回・北辰テスト1回を受けます。入試本番に実力を発揮できるよう、直前まで学力を高めていきます。
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