湘ゼミコラム

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Startup Weekend Tokyo開催レポート【前編】

2019.07.26

湘南ゼミナールより弊社CSR活動として参加した、Startup Weekend Tokyo開催レポートをお届けします。

Startup Weekendとは、米国からはじまったスタートアップ体験イベントです。これまでに世界150カ国以上、1,300都市以上で35万人超の参加者を動員しています。
イベントでは、金曜日からの週末3日間、合計54時間を利用して、アイデアを形にするための方法論を学びます。

今回のテーマは、「未来の学び~Learning Innovation」です。
これからの未来、子ども達がイキイキと生きていくために、どのような「学び」を提供したらよいのか。延べ75名の参加者と、5名のコーチ、3名のジャッジ、8名の運営チームという大人数で54時間を過ごす起業イベントを、ぜひレポートにてご覧ください。

Day 1:初めて出会って、パッションをぶつける

金曜日の夜、ざわざわと会場へと集まる人たち。

会社員もいれば、理学療法士、教員、デザイナー、エンジニア、なかには、高校生や小学生の参加も!

到着するやいなや、それぞれが3つの役割の中から自分がなりたい役割を選びます。

Startup Weekendが定義する3つの役割は、次のとおりです。

役割1/Hustler(ハスラー)
チームのマネジメントとビジネスモデルの検証を行う役割

役割2/Hacker(ハッカー)
アイデアを実現するサービスの開発を行う役割

役割3/Designer(デザイナー)
アイデアをより使い易く、受け入れられるものへプロダクト化する役割

すると、驚くほどスムーズに選ぶみなさん。
参加への意気込みが伺えます。

写真:ファシリテーターの岩城氏

そしてスタートした初日のファシリテーション。

カジュアルに食事やお酒を楽しみながら、クイズ形式で、様々な国で成功しているスタートアップ(起業・新規事業の立ち上げ)を学びます。ファシリテーターのリードで、この場で初めて会う人たちが自然と活発になり始めるのを感じました。

Half Bakedという2つのキーワードを組み合わせて新しいビジネスを作るミニゲームがスタート。

参加者がふと思いついた言葉をどんどん書き出し、チームに分かれます。

2つのキーワードを掛け合わせ、そこから生まれたアイデアをアウトプットできる状態までディスカッションします。さらには、会社の名前・ロゴを考えるといった作業を合わせて15分で行います。

みなさんなんだか楽しそうです。

タコ×写真?でフォクトパス??

そんな思いもよらないキーワードで起業案を考える。
一見笑えるアイデアばかりですが、ユーモアとアイデア磨くうえでは、企業の企画を行う部署なんかでは取り入れてみると面白いのでは?!

アイスブレイクを終え、それぞれが今回の本題テーマ「未来の学び~Learning Innovation」を軸に考えた起業プランを練り、ピッチ(1分間のプレゼンテーション)します。

さきほどのHalf Bakedとは違い、みなさん本気モード。
社会の課題解決と自身の想いを熱くプレゼンしていました。

~アイデア~

♦〝こどもだけのまち″をWEBの中につくりたい

♦ 学びMAPで社会から障害をなくす

♦ 銭湯×教育=湯育

♦ 進路選択のマッチングアプリ

・・・などなど、参加者の9割以上がピッチし41案もの企画が出ました。

なかでも注目を集めたのが、小学5年生のMINAちゃんピッチです。

写真:自分のアイデアをピッチする小学5年生のMINAちゃん

(MINAちゃん)
「学校では、社会に出て何が活かせるとか教えてくれないから、大人になって実際に社会に出て学ぶしかない。実は子どもでも起業とか、親の同意があれば社長とかになれて、そういう選択肢とか知らないことがあるから。えっと、、、起業とかそういう選択肢を与えるのをしていきたいなと思っているんですけど。起業とかで子どもでは集めることができないのはなかまとお金を集めるものをやりたいと思っています。」
(以上MINAちゃんピッチより)

―――なんとも力強いピッチ!!大人顔負けの堂々とした発表でした。

この日、エストニアから帰国したなりで参加したという小学5年生のMINAちゃん。
過去のスタートアップイベントへの参加をキッカケに、子どもでも起業ができることを知った彼女は、IT先進国で10代での起業も多いと言われる「エストニア」という国の名前を知りました。興味を持った彼女は、クラウドファンディングで出資者を募り、エストニアへ行き、「エストニアのお友達と日本のお友達のかけはしになりたい!」という目的を達成したことでも話題です。
参照:https://readyfor.jp/projects/inouemina

―――その後、Startup Weekend Tokyo会場では・・・

ピッチを終えた全員が、ひとり3票を持ち、優れた企画案に投票します。
選ばれた企画案には小学生のMINAちゃんの案も!

―――しかし、ここからがStartup Weekendの大切なポイントです。

たとえ自分の案が選ばれても、その案に賛同する人を3名以上集められなければ、先へ進むことができないのがStartup Weekendのルールです。

自分自身も短い時間で考えた起業のテーマに、いかにパッション(情熱)を持って、意見の異なる人の心を動かせるかが鍵となります。まだ何も形になっていないものから、ビジネスの求心力を高めていくうえで、チーム作りは極めて重要と参加者自身が体感していました。

初日は、最終的に6チームが結成され、1日を終了しました。

Day2:割れる意見・・・
課題を見失わないことがビジネスの鍵

あくる朝、ファシリテーションからスタートしました。

(ファシリテーションより)

Q.最初にアイデアを考えた人はCEOになるべきか?

A.チームの中で一番向いている人をCEOにするといいですね。

2日目のファシリテーションでは、まだまだ関係の浅い人たち同士が、どのように意識して、役割・チーム作りをしていくのかを考えます。ルールでは、もし意見が合わなくなれば、途中でチームを変えることも可能です。

ファシリテーターの岩城氏によると、『大切なのは現状を変えること、本質を洞察すること。』だと言います。それは、仕事だけにとどまらず、ビジネスを拡大するうえで必要とされる人間関係にも同じことが言えるのではないでしょうか。

それぞれのチームが、ハスラー、ハッカー、デザイナーといった立場で、互いが知りうる情報や経験、能力を生かしてビジネスを練り上げていきます。

―――2日目の午後には、コーチ陣による相談時間が設けられています。

写真:集まったコーチ陣

湘南ゼミナールの研究チーム「SHO-zemi Labs(ショウゼミラボ)」を主幹する岡本が、コーチとして招かれました。

―――コーチングの時間を終え、コーチ陣からは次のような意見が

『教育は、こういう世の中を実現したいというビジョンがある方が多い。ビジョンとユーザーがごっちゃになっていないか。掲げている課題が、ユーザーの課題ではなくなっていないかを見てほしい。課題を明確にして、本当にその課題を抱えているかという検証をすることが大切です。』

『単なるビジネスプランのコンテストではなく、本当に起業することを大切にしてもらいたいです。本当にそれやりたいの?というパッションを大切にしてほしい。そうでないと、起業は長い道のりになるので続かなくなります。』

『アイデアって、日本という枠ではなく、世界を見ればすでに似たようなサービスがあったりします。時間を取ってそういったところを見比べて、何でユニークなのか、もっと深く調べてみてもらいたいです。』

写真:左からコーチに招かれた土井 皓介さん、中村 岳さん、熊本 翔太郎さん、Yoshi A Okamotoさん、Jon Tanさん

ついに明日は最終ピッチです。
度々この会場で耳にするパッション(情熱)という言葉。参加したチームの中には、チームの1人ひとりが持つパッションをぶつけ合い、意見の相違や気持ちが高まり討論するチームも・・・。